エンベデッドシステムスペシャリスト試験とは情報処理技術者試験の1つで高度情報処理技術者に分類される名称独占の国家資格です。
高度IT人材として確立した専門分野を持ち、組込みシステム開発に関係する広い知識や技能を活用して設計・構築・製造を主導的に行えることを証明します。
エンベデッドシステムスペシャリスト試験の特徴
英語名はEmbedded Systems Specialist Examinationであり、略号はESになります。
旧試験のマイコン応用システムエンジニア試験、テクニカルエンジニア(エンベデッドシステム)試験に相当します。
エンベデッドシステムスペシャリスト試験とは
まずエンベデッドシステム(Embedded System)とは組込みシステムのことを指します。組込みシステムとは家電製品などに組み込まれている特定の機能を実現させるためのコンピュータシステムのことを指します。
組込みシステムが搭載されているものはテレビやエアコンなどの家電に限らず、自動車や携帯電話など多岐に渡り、これら組込みシステムを開発して製品に組み込んでいくことが組込みエンジニアの仕事になります。
エンベデッドシステムスペシャリスト試験はこの組込みエンジニアを対象とした試験になっています。
情報処理技術者試験の試験機関が設置されているIPAのホームページによると以下のような方に最適の資格になります。
自動車、家電、モバイル機器などに搭載する組込みシステムを、ハードウェアとソフトウェアを適切に組み合わせて構築し、求められる機能・性能・品質・セキュリティなどを実現できる組込みエンジニアを目指す方に最適です。
就職や転職に有利に働くことも
現行の情報処理技術者試験はスキルレベルが1~4に設定されておりレベル4が最高レベルになるのですが、エンベデッドシステムスペシャリスト試験のスキルレベルは最高レベルの4です。
国家資格なので国内では知名度が高く、例えば新卒でこの資格を持っていればその努力はかなり高く評価されるでしょう。
転職の際にもエンベデッドシステムスペシャリスト試験有資格者を優遇すると言った求人は見られますし、しっかりした実務経験まであれば有利に働いてくるはずです。
他資格への影響
エンベデッドシステムスペシャリスト試験に合格すると弁理士試験で論文式筆記試験の選択科目が免除になる特典があります。
またエンベデッドシステムスペシャリスト試験に合格することで社会保険労務士試験の受験資格を満たします。
エンベデッドシステムスペシャリスト試験の資格を取得するには
試験に合格すればOKです。受験資格は特になく誰でも受験できます。
合格率は16~17%
エンベデッドシステムスペシャリスト試験の合格率は16%~17%を推移しています。
ちなみに平成28年度の合格率は17.2%でした。
試験の内容
試験は1日で終わりますが午前1・午前2・午後1・午後2とわけられており1日かけた長期戦になります。
午前1の試験内容
マークシート形式の試験で応用情報技術者試験相当(レベル3)の試験になります。
基準点は60%であり、ここで基準点を取れなければ問答無用で不合格となり、以降は採点されません。
2年以内に応用情報技術者試験・他の高度情報技術者試験に合格した方は午前1が免除されます。また同じく2年以内に他の高度情報処理技術者試験の午前1に基準点以上を得点できた場合も免除対象となります。
午前2の試験内容
こちらも同じくマークシート形式の試験になりますがハードウェア、ソフトウェア、システム開発技術と言ったエンベデッドシステム関連の問題に重点が置かれていることが特徴です。
ここでも基準点(60%)を取れなければ不合格となり、以降は採点されません。
午後1の試験内容
3題のうち2題を選択して解答するエンベデッドシステムに関する試験になります。
ここでも基準点が取れなければ不合格となり、午後2は採点されません。
午後2の試験内容
2題のうち1題を選択して解答するエンベデッドシステムに関する試験になります。
ここで基準点が取れればエンベデッドシステムスペシャリスト試験合格となります。
まとめ
以上がエンベデッドシステムスペシャリスト試験に関する大まかなまとめになります。
現代社会において重要な役割を担っている組込みエンジニアの方、組込みエンジニアを目指す方にとっては意識しておくべき資格と言えますね。
少しでも参考になれば幸いです。