測量士とは基本測量、公共測量の計画を作成・実施する業務独占のある国家資格です。
また測量業者は営業所ごとに測量士を1人以上置かなければならないと定められている必置資格でもあります。
測量士の特徴
体力が必要ですがそれだけでなく、数学の知識やPCの知識も必要となってくる仕事です。
測量士の仕事
みなさんも画像のような機材を使って道で作業をしている人を見たことがあると思います。
この機材はトータルステーションと言い、距離と角度を同時に観測することができる測量機器で、現在測量現場で最もよく使われていると言われているものです。
測量とは街をつくるために土地の広さを測量したり、位置を測定したり地図を作ったりすることを言います。
測量士は現場で行う測量の計画を作成し、下位資格である測量士補はそれに従って測量の仕事をすることになります。
また測量士は「作業主任者」になれるという特徴があり、現場ではリーダー的な役割を担える資格です。
独占業務・必置資格ではあるけれど…
測量士は独占業務を持つ資格だと先に書きましたが実は測量の仕事自体は測量士でなくとも行うことができ、公共の測量業務を行うときのみ、この資格がなければ行うことができないようになっています。そのため公共測量をしていないところでは別段この資格が必要になるわけではありません。
また必置資格ではありますが宅建のように5人に1人と高い割合で定められているわけではなく1人いれば問題ないためものすごく強いと言うわけではありません。
通常、独占業務があり必置義務がある資格は転職などにおすすめしたいのですが、この仕事に関してはどちらかと言えば転職のためには実務経験、もしくは年齢が重視されると考えられるため少し弱いと言わざるを得ません。
とは言えど先方が求める条件にうまくはまれば測量士の資格を持っているだけで就職できると言うことも考えられます。
平均年収は400万円程度
測量士の平均年収は400万円程度と言われています。
専門知識や技術が必要である上に現場系の仕事であるため体力も頭も資格も必要とされる上に残業も多いと言った、なかなかハードな仕事であるにも関わらず年収は一般的なサラリーマンとあまり変わらないと言われています。
この点はかなり不満を抱えている測量士もかなり多いようで、ネット上で測量士・測量士補の方が書き込んでいる仕事に対する印象はかなり悪いものが目立ちます。
他資格への影響
測量士有資格者は土地家屋調査士試験の午後の部の筆記試験が免除されます。
測量士・測量士補の資格を最も有効活用できるのが土地家屋調査士試験の一部免除だと言う人もいるかもしれません。
土地家屋調査士は不動産の表題登記を独占業務とする国家資格で非常に難関ですが、独立開業も十分に狙える資格です。
測量士として仕事をするにしても土地家屋調査士や行政書士と関わることで仕事の幅は大きく広がりますし、頭に入れておくべき資格のひとつと言えます。
測量士になるには
学校を卒業して実務経験を積むか、国家試験合格かで資格を取得することができます。国家試験に受験資格はなく誰でも受験できます。
学校を卒業して取得
大学、短大、高等専門学校で測量に関する科目を修めて卒業し、測量に関する実務経験を積むことで取得できます。
実務経験の年数は大卒の場合は1年以上、短大・高等専門学校の場合は3年以上となっています。
他には測量に関する専門の養成施設で1年以上、測量士補になるための専門の知識・技能を修得し、測量に関する2年以上の実務経験を積むことで取得できます。
また測量士補が専門の養成施設で高度な専門知識・技能を修得することで取得することも可能になります。
国家試験に合格して取得
国土地理院が行う測量士試験に合格することで取得することもできますが、測量士補と違い難易度が高いので要注意です。
合格率は10%程度
測量士補の国家試験合格率は20%程度と言われていますが測量士の国家試験合格率は10%となかなか難易度が高くなっています。
試験の内容
試験の科目は9科目。
測量に関する法規と国際条約、多角測量、汎地球測位システム測量、水準測量、地形測量、写真測量、地図編集、応用測量、地理情報システムとかなり専門的な内容になっています。
全体の65%以上得点できれば合格です。
まとめ
以上が測量士に関する大まかなまとめになります。
基本的に学校を卒業し実務経験で取る方が多いので国家試験で取得する方の数はあまり多くないようです。
他業種から転職することも難しいため、測量士を目指す場合は若い方が圧倒的に有利になるでしょう。
少しでも参考になれば幸いです。