PMPとはProject Management Professionalの略で、アメリカの非営利団体PMI(Project Management Institute)が主催するプロジェクトマネージメントに関する国際資格です。
PMPの特徴
世界標準のプロジェクトマネジメントに関するノウハウを理解していることの証明になります。
プロジェクトマネージメントとPMBOK
プロジェクトマネジメントとは、システム開発を成功させるために活動内容を計画したり日程表を作成したりなど、プロジェクトを適切に管理することを言います。
PMPの資格を主催しているPMIは、このプロジェクトマネジメントに関するノウハウをまとめた「PMBOK」と言うものを発行しています。
PMBOKはProject Management Body of Knowledgeの略で「ピンボック」と読まれることがあり、このPMBOKは現在、プロジェクトマネジメントの世界標準として浸透しています。
プロジェクトマネージャーの職務に就くためにPMPが必要になると言うわけではありませんが、世界標準のプロジェクトマネジメントに関するノウハウを理解できていると言う証明になりますので、自分の能力向上はもちろん、営業効果としても期待できるでしょう。
IT業界に限らずどんな業界でも役立つ知識!
この資格はシステム開発計画のプロジェクトマネージャーが対象になっているのでIT業界の方やエンジニアが取得しているケースが多いですが、建設業界などさまざまな業界の方が取得している資格です。
製造業でも研究・開発でもコンサルタントでも教育でも、そもそもプロジェクトが存在しない仕事はありませんのでプロジェクトマネジメントに関するノウハウはどんな業界のどんな職種の方にとっても役立つものと言えます。
またPMPは国際資格であり世界中で認知されていますので、外資系企業や海外での就職や転職にも有利になる可能性もあります。
人気の資格ですが勢いは落ち着いてきている
少し前までは技術者に取らせたい資格として人気が高かったPMPですが、現在はPMPの資格を持つ人数自体が増えてきたこともあって人気の資格としての勢いは落ち着いてきています。
PMPは受験料がかなり高いです。
また資格を維持するために3年ごとに研修などを受け、PDUと呼ばれる単位を60ポイント以上取得する必要があります。
60ポイント取得できなければ1年間資格が一時停止となり、この間に60ポイント獲得できなければPMP資格は消失してしまうと言う、維持することが少々面倒な資格になっています。
そして人気が落ち着いてきた今、資格維持をあきらめる人も出てきているようです。
明確な目標がありPMPに挑戦する方はそれでよいと思いますが、特にそうでないけれどプロジェクトマネージメントに関する資格が欲しい場合であれば、国家資格の情報処理技術者試験の1つであるプロジェクトマネージャ試験の方が良いかもしれません。
プロジェクトマネージャ試験は国家資格ですのでPMPのように国際的な価値はありませんが、一度取得すると一生有効です。ただしIT分野を対象とした試験になっています。
PMPを取得するには
コンピュータで行われる試験に合格すればOKです。受験資格がありますので確認してください。
受験資格について
受験資格は結構厳しく「プロジェクトマネジメントに関する実務経験」と「PMIが認定した教育機関での研修の受講」が条件になります。
まず実務経験ですが学歴により実務経験の時間が異なります。
- 高校卒業またはそれに相当する資格をお持ちの方は、60ヶ月間のプロジェクトマネジメント経験を含む、プロジェクト業務※を指揮・監督する立場での7500時間の実務経験が必要です。
- 大学卒業またはそれに相当する資格をお持ちの方は、36ヶ月間のプロジェクトマネジメント経験を含む、プロジェクト業務※を指揮・監督する立場での4500時間の実務経験が必要です。
※受験条件となるプロジェクト業務は、試験申し込みから遡ること8年以内の業務に制限されています。
次に「PMIが認定した教育機関での研修の受講」ですが35時間の公式なプロジェクトマネジメントの研修を受講する必要があり、修了証明書を提出すると言う流れになっています。
実務経験の内容はコンサルタントなどでもOKと言われています。
また受験の申請はアメリカのPMIで行うため英語で書く必要があります。
試験の内容
PMBOKの内容とその他プロジェクトマネジメント業務に関する問題が出題されます。
試験は四肢択一の問題が200問、4時間かけてコンピュータで行われ、合否はその場ですぐにわかります。
申込時に補助言語として日本語を選択していれば英語と日本語で出題されますが、日本語の翻訳に独特のよくわからなさがあり、いっそ英語で読んだ方が良いと言うことがよく言われていたこともありましたが最近の翻訳はよくなってきているとも言われています。
とは言え、申込時も英語ですから挑戦するにあたって英語力は必要になります。
合格率は60%前後と言われている
合格率は非公開ですが60%前後と言われており、比較的高く見えます。
しかし元々受験するまでにかなりの実務経験とそれに関する勉強が必要となる試験であることや、受験者が準備を整えてから試験を受験できるシステムを考えると比較的高くなるのはある程度納得できます。
ですが逆に言えばもともとベテランで向上心のある方ばかりが準備をしっかりして臨んでいるのに60%と言うのは結構な難関であるとも言えます。
資格に更新あり!そして受験料が高い
先の項目でもすでに少し触れていますがまずPMP試験の受験料はPMI非会員であれば555ドルです。
この記事を書いている本日の米ドルは106円ですので日本円にすると58,830円ですね。すごく高いです。
またPMP資格は資格取得後、CCRと言うプロジェクトマネジメントの研修などを受ける必要があり、それを受けることでPDUと言う単位を取得していきます。
このPDUを3年で60ポイント以上取得しなければ翌年1年間PMP資格は停止、さらにこの停止期間中にも60ポイントに達しなかった場合はPMP資格は消失となります。
このあたりはあらかじめ押えておく必要があるでしょう。
まとめ
以上がPMP資格についてのまとめになります。
受験資格が厳しく受験料も高く維持も大変となると人によってはここまで読む前に「この資格もうええわ」となってしまっている方もいるかと思います。
しかしPMPのメリットは能力の証明だけではなく、PMIのHPにも書いてあるように「PMのコミュニティでの活動を通して人的なネットワークを広げることも可能」と言うのも魅力のひとつではないでしょうか。
PMPに挑戦するかしないかの判断の参考になれば幸いです。