工事担任者とはどんな資格か解説!試験の難易度や合格率など
資格の鎧

工事担任者とはどんな資格か解説!試験の難易度や合格率など

カラフルなLANケーブル

電話回線・光回線工事などの責任者として活躍します

工事担任者(こうじたんにんしゃ)とは、利用者とネットワークとの接点の役割を果たす端末設備がネットワークと相互に十分機能するよう調整するための専門的技能と知識を有することを証明する業務独占かつ必置資格でもある国家資格です。

工事担任者の特徴

端末設備工事の場で活躍する資格になります。

工事担任者の仕事内容と資格の種類

電話回線工事

全部で7種類存在します

工事担任者は電話回線や光回線、CATVなどの設備を接続する工事を監督する責任者となる資格になります。電話工事と言った方がイメージしやすいかもしれません。

これら工事は工事担任者の資格がないと行うことができないと言う業務独占資格になっています。

またこれらの工事は工事担任者の監督下であれば資格を持たない者でも接続工事に携わることができるため、無線従事者免許に似た必置資格としての性質も持ちます。

工事担任者の資格は全部で以下の7種類存在し、工事に携わることのできる範囲が異なります。

  • AI(第1種・第2種・第3種)
  • DD(第1種・第2種・第3種)
  • AI・DD総合

AI第1種~第3種はアナログ伝送路設備・総合デジタル通信用設備に端末設備等を接続するための工事の監督が行えます。3種<2種<1種の順に上位資格となり、上位資格ほど扱える工事の範囲が幅広くなります。

DD第1種~第3種はデジタル伝送路設備に端末設備等を接続するための工事の監督が行える資格で、AIと同じく3種<2種<1種の順に上位資格となり、上位資格ほど扱える工事の範囲が幅広くなります。

AI・DD総合種はアナログまたはデジタル伝送路設備に端末設備等を接続するための工事の監督ができ、すべての工事の範囲を含むので最も汎用性の高い資格になります。挑戦するならぜひともこの総合種を狙っていきたいところです。

主な就職先や将来性、資格の強さなど

パソコンを見て考えるビジネスマン

電気通信業界を狙うなら取得を考えておきたい

ネットワーク設備の設置や配線工事などを行うため電気通信工事会社やCATV会社、通信機器販売会社など主に電気通信業界で活躍できる資格になります。ただし活躍できる業界がある程度限られてしまう資格であると言うことは頭に入れておきたいです。

通信系の資格のひとつとしてあげられる陸上無線技術士と言う資格ですと主な就職先は電気通信業界に限らず、NHKやその他テレビ局、国土交通省航空局、海上保安庁など幅広くなりますが、工事担任者に関しては資格を持っていることで有利に働く可能性のある業界は電話回線や光回線の配線工事会社などにある程度は限られてしまうでしょう。

また先ほどの項目で紹介しましたように本来は電話回線や光回線の配線工事は工事担任者の資格を持っていなければ行うことができないのですが、工事担任者の監督下であれば資格を持たない者でも接続工事を行うことができてしまいます。

そのため、例えば電気工事を行う者はすべて有資格者ではならない電気工事士などに比べると資格としての力は劣ると言えます。

電気通信業は今後もますますニーズが高くなっていくことは容易に想像できますし、将来性は十分な業界と言えますし、工事担任者はこの業界においての就職や昇進にはプラスに働いてくる資格と言えます。

なんとなく電気関係や通信関係の資格が欲しいなと言う心持ちで狙うには微妙な資格と言えますが、資格が生かせる業界への就職を明確に狙っているのであれば有利に働く可能性のある資格と言えます。

他資格への影響

パソコンを見て考える男性

他の通信系国家資格に影響があります

工事担任者の3種以外(AI1種・2種、DD1種・2種、AI・DD総合種)の資格を持っていれば無線従事者試験の一部で科目免除があります。

対象となるのは総合無線通信士(2級・3級)と海上無線通信士(2級)試験で「無線工学の基礎」の科目が申請により免除されます

また同じく工事担任者の3種以外の資格を持っていれば電気通信主任技術者試験の「電気通信システム」の科目が免除対象になります

電気通信主任技術者には伝送交換主任技術者と線路主任技術者の2種類ありますがどちらを受けるときでも免除対象です。

工事担任者になるには

試験に合格、養成課程修了、総務大臣がこれらに掲げる者と同等と認定することのいずれかで取得することができます。試験は年2回あり、受験資格などは特になく誰でも受験できます。

合格率と難易度

試験勉強

難易度は中程度と言えます

工事担任者試験の全体での合格率を見ると近年は25%~35%あたりを推移しています。

種別で見るとAI1種は24%~34%、AI2種は17%~24%、AI3種は32%~59%、DD1種は16%~27%、DD2種は9%~18%、DD3種は30%~44%、総合種は17%~24%となっています。

試験の内容

猛勉強する人

どの種別も3科目です

工事担任者試験の7種類すべてが「電気通信技術の基礎」「端末設備の接続のための技術及び理論」「端末設備の接続に関する法規」の3科目になっており、種別によって各科目の内容やレベルが異なる仕様になっています。

AI種や総合種には「端末設備の接続のための技術及び理論」の科目の中に「総合デジタル通信の技術」がありますがDD種にはなく、またDD種と総合種には同じく「端末設備の接続のための技術及び理論」の科目の中に「ネットワークの技術」と言う科目がありますがAI種には存在しません。

養成課程で取得するには

講習

国家試験以外で取得する方法もあります

総務大臣の認定を受けた学校等の団体が実施する養成課程を修了することで工事担任者の資格を取得することも可能ですが認定を受けた学校は全国的に見ても多くありません。

また工事担任者養成課程eLPIT(エルピット)と言うeラーニングによる養成課程講習もあります。インターネット上で学習し、最後に会場に赴いて修了考査を受け、100点満点中60点以上を得点して合格することで取得できるものになっています。

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【無試験】講習だけで取れる資格・学校卒業だけで取れる資格

勉強嫌いや時間のない方におすすめ!試験を受けずに取得できる資格のまとめです。難関資格や非常に使える資格も多いので要チェックです!

まとめ

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いかがでしたか?

以上が工事担任者に関するまとめになります。

今後とも安定した需要が見込める電気通信業界で活躍できる資格ですのでこの業界を目指す方は要注目ですね。

少しでも参考になれば幸いです。