国連英検とは、国際連合公用語英語検定の略称で、国際的に通用する人材の育成および国連に対する理解を深めることを目的とする民間資格です。外務省後援の資格ですので公的資格とされることもあります。
この記事では国連英検がどんな資格であるか、就職や転職に役立つのかなどを、TOEICや英検などと比較しながらまとめていきます。
国連英検の特徴
ただの英語の資格でなく、試験の内容が国際的な問いになっている特徴があります。
国連英検とTOEICとの比較
国連英検はTOEICや英検などと同様に英語系の資格なのですが「国連」とついているだけに試験問題として取り上げられる話題が世界平和や世界経済など国際的なものになっていると言う特徴があります。
国連英検は特A級・A級・B級・C級・D級・E級の6段階にわかれており、E級<D級<C級<B級<A級<特A級の順に上位となります。
評価の目安として日本での2大英語資格であるTOEICと英検と比べてみます。
特A級 | TOEIC 満点超 |
英検 1級超 |
---|---|---|
A級 | TOEIC 900点以上 |
英検 1級 |
B級 | TOEIC 800点以上 |
英検 準1級 |
C級 | TOEIC 700点以上 |
英検 準1級 |
D級 | TOEIC 600点以上 |
英検 2級 |
E級 | TOEIC 500点以上 |
英検 2級 |
最下位であるE級でもTOEIC500点レベル・英検2級レベルの英語力が必要となります。
このレベルは高校卒業程度の英語力となりますので英語が苦手で仕方がない方にとってはとっつきにくい英語系資格と言えますね。
国連英検は就職等にあまり役に立たない!?
国連英検と言う名前のイカつさから国際的に通用するような資格感があるのですが、実はこの資格は日本でのみ行われている検定試験になります。
日本の団体が実施している試験であり国連も関与していませんのであくまで日本でのみ通じる資格になるため、海外では全く通用しないと言えます。
また国内においてもマイナーな資格ですので知らない方も多いです。
就活においても先方が知らなければ国連英検を持っていたところで全く意味がありませんので、国連英検は就職や転職にあまり強い資格ではないと言えます。
ただA級・特A級まで取れれば国際公務員の選考で有利になることもありますので、これらを目指す方は要注目の資格と言えます。
外務省にはアソシエート・エキスパート派遣制度と言う制度があるのですが、これは正規の国際公務員を志望する若手法人を将来に一定期間国際機関に派遣する制度になり、原則2年間、各国際機関で職員として勤務し、派遣期間終了後は正規職員として採用される可能性もあると言うものです。
このアソシエート・エキスパートの選考試験において国連英検特A級であれば語学審査対象としてレベル認定されています。
またA級以上は外務省ロスター登録制度で語学のレベルを認定されていたり、C級以上は警察官採用試験の成績の一部としての評価となったり、国際協力機構(JICA)で語学レベルとして認定されたり、高認(旧・大検)において英語かの資格としてレベル認定されたりと人によってはことを有利に運ぶことができる資格になっています。
国連英検を受験するには
試験に合格すればOKです。受験資格は特になく誰でも受験できます。
試験の内容
B級・C級・D級・E級は一次試験のみになりますが、特A級・A級は一次試験+二次試験があります。
二次試験は特A級・A級の一次試験合格者、もしくは一次試験免除者が対象となる面接試験で、ネイティブスピーカーの質問に答える形で行われます。
どの級でも試験は年2回行われます。他の英語系民間資格に比べると実施回数がとても少ないです。
まとめ
以上が国連英検に関する簡単なまとめになります。
単純に何か英語系の資格にトライしたいと考えているだけでしたら日本においてはさまざまなところで認知されているTOEICや英検の方をおすすめしますが、国際公務員志望であったりなど、国連英検を取得することでプラスになることがありそうならばきっとプラスになると言えますね。
少しでも参考になれば幸いです。