IELTSとは、International English Language Testing Systemの頭文字を取って「アイエルツ」と呼ばれている英語系の民間資格です。
主にイギリスにおいての進学や移住の際に必要となってくる国際資格になっています。
この記事ではそんなIELTS(アイエルツ)を全く知らない方にもわかりやすく解説していきます。
IELTS(アイエルツ)の特徴
日本ではさほどメジャーな試験ではありませんが世界ではかなり有名な国際資格になっています。
IELTSはイギリス・TOEFLはアメリカ!?
海外への留学などで必要になる資格と言えば有名どころではTOEFL(トーフル)を思い浮かべる方も多いと思います。
アメリカの大学に進学しようとするとき必ずTOEFL(トーフル)が必要になり、TOEFL iBTテストのスコアが120点満点中80点程度が必要になります。ハーバード大学などの超有名大学の場合は100点以上必要と言われています。
しかしイギリスの大学に進学したい場合やイギリスに移住したい場合は少し事情が異なります。
かつてはイギリスでも移住のための英語ビザ取得のためにTOEIC(トーイック)やTOEFL(トーフル)も英語能力の証明として使えていたのですが2014年に不正が発覚して以来、イギリスへのビザ申請はTOEIC・TOEFLのスコアは一切認められなくなり、認められるのはIELTS(アイエルツ)のみとなりました。
よって主にイギリスへの進学・移住を考える場合、TOEFL(トーフル)ではなくIELTS(アイエルツ)を考えなければならないと言う状況になっています。
もちろんIELTS(アイエルツ)のスコアが使えるのはイギリスだけではなくオーストラリア、カナダ、ニュージーランドなどさまざまな英語圏の国で有効な他、アメリカではかつてあまり使えなかったIELTS(アイエルツ)も近年は多くのアメリカの大学で受け入れられるようになっています。
留学先にイギリスを視野に入れている方は迷わずIELTS(アイエルツ)と言えるでしょう。
IELTSのスコアと他資格との比較
IELTS(アイエルツ)のスコアは各科目の平均が総合スコアとなり、1~9まで0.5刻みで評価される「バンドスコア」と言う方法が採用されています。
最も初心者になる「1」が最低レベル、英語を完全に理解している「9」が最高レベルになります。留学などに必要なスコアは6.0~7.0と言われています。現地で働きたい場合なども6.5~7.0のスコアが必要になります。ちなみに最高レベルの9はネイティブでも取れるか怪しいと言ったかなりのレベルになっています。
ではその6.0~7.0と言うものはどれくらいのレベルのものなのでしょうか。
日本での有名どころの英語試験と比較してみると、英検であれば準1級~1級レベル、TOEICであれば740点~970点、TOEFL iBTでは80点~108点と言われており、いずれにせよかなりの英語力と言うことになります。
IELTS7.0 | 英検 1級 |
TOEIC 870-970 |
TOEFL iBT 100-108 |
---|---|---|---|
IELTS6.0 | 英検 準1級 |
TOEIC 740-820 |
TOEFL iBT 80-89 |
IELTS5.0 | 英検 2級 |
TOEIC 550-600 |
TOEFL iBT 61-68 |
IELTS4.0 | 英検 準2級 |
TOEIC 450-490 |
TOEFL iBT 45-51 |
IELTS3.0 | 英検 3級 |
TOEIC 291-299 |
TOEFL iBT 29-32 |
IELTS2.0 | 英検 4級 |
TOEIC 260-269 |
TOEFL iBT 12-19 |
少々取っつきにくいところが難点かも
世界に通じる英語の資格であるIELTS(アイエルツ)ですが、非常に取っつきにくい試験だと言う特徴があります。
まず受験料が25,380円と非常に高額です(2018年7月現在)。
日本でメジャーになっている英語系資格の受験料はTOEICが5,725円、英検が1級で8,400円ですのでこれらに比べるとどうしても取っつきづらくなってしまうでしょう。ちなみにTOEFL iBTは235米ドルですので約26,137円(2018年7月24日調べ)とIELTSとあまり変わりません。
またIELTSはパスポートがないと受験することができません。
パスポートを持っていない方はまず作らなければならず、こちらも発行手数料として11,000円~16,000円かかってきます(2018年7月現在)。
またIELTS(アイエルツ)のテスト結果の有効期間は2年間となっており、2年以上前の結果は採用されないところがほとんどです。そのため今は留学とか移住とかの予定はないけど何かあるかもしれないからとっておくかと言うことはあまり意味がないと言えます。
明確に目標を持ち、1回で目標スコアを取るくらいの心構えで挑むタイプの試験と言えます。
IELTS(アイエルツ)を受験するには
受験に際して年齢・職業・学歴などは問いませんが受験年度で満16歳以上であることが望ましいとされています(IELTS受験規約 第2条第1項)。
試験の内容
IELTS(アイエルツ)は「アカデミック・モジュール(Academic Module)」と「ジェネラル・トレーニング・モジュール(General Traning Module)」の2つのテストが存在します。
アカデミック・モジュールは主に大学などに留学したい方や現地で医師や看護師として働きたい方などが受けるタイプの試験になります。
ジェネラル・トレーニング・モジュールはオーストラリア・カナダ・ニュージーランドへの移住申請をされる方が受験することが一般的です。
試験は「リスニング(30分)」⇒「リーディング(60分)」⇒「ライティング(60分)」⇒「スピーキング(11~14分)」で構成されています。
リーディングとライティングにおいてはアカデミックモジュールとジェネラルトレーニングモジュールで出題範囲が異なります。
スピーキングはネイティブの面接官の前で約15分会話しなければならないと言う日本人にとって最もハードルの高いセクションと言えます。またTOEICと違いライティングもありますので「読めるけど書けない」が通じない試験になりますね。
試験会場と試験日程
IELTS(アイエルツ)の試験会場は東京、大阪、札幌、仙台、埼玉、横浜、松本、金沢、名古屋、京都、神戸、岡山、広島、福岡、熊本で実施されています。
試験日は東京や大阪ではほぼ毎週土曜日に実施されていますが、その他は会場によって異なりますので確認が必要です。
まとめ
以上がIELTS(アイエルツ)に関する大まかな基本情報のまとめになります。
必要な方しか特に受ける必要のない試験になりますが、世界基準の英語資格ですのでハイスコアが取れると大きな自信になりますね。
少しでも参考になれば幸いです。