宅建はこう勉強すれば独学取得も十分可能です
宅地建物取引士(宅建)は比較的独学で取得可能と言われている国家資格であり、勉強法さえ間違えなければさほど難しくないとすら言われる資格です。
とは言え合格率は15%~17%と高いわけではなく、ちょっとでもいい加減だと簡単に落ちてしまうとも言えます。
ここでは宅建の効率の良い勉強法と独学で取る際におすすめしたいテキストや基本書などを解説したいと思います。
基本書と過去問集の2つは必ず用意しよう
法律を学んだことがない人は基本書が絶対必要と言えます
まず宅建は不動産系の資格ですが試験の内容は法律の試験だと思ってください。
そのため法律を勉強したことがない初心者はまず法律用語・専門用語のややこしさでいきなり引っかかる可能性があります。
また基本的に資格の試験は過去問を徹底的にやりこなせば合格できると言う試験がかなり多いです。
宅建試験も例に漏れず、過去問から似たような問題が多く出題されています。
しかしその過去問ですら法律的専門用語のややこしさや、法律的な独特な理解が前提とされるため、法律的初心者にはいきなり過去問を見ても日本語なのに何を言っているのかわからないと言う状態になることもあります。
例えばですが宅建試験にはよく「善意の第三者」と言う言葉が出てきますがこれは「(状況などを)知らない当事者ではない人」と言う意味になり、ここをわかっていなければ問題の意味すらわからないと言うことになりかねません。
宅建おすすめの基礎書
法律初心者であればまず絶対に基本書が必要だと思ってください。
法律用語や判例の解説など、そのあたりがわからないと理解できないところも多いからです。
そして結果として過去問を解く以前に何を言っているのかわからない状態になります。
私、筆者が実際にいろいろ見てみてこれはいいんじゃないかなと思った基礎書は以下です。
1位:宅建士の教科書
近年人気の基本書で、何となく独断と偏見でゴリ押しされてるだけだろうと思っていたのですが実際見てみると正直ダントツでよかったです。
オールカラーなので勉強慣れしていなくても取っつきやすいですし、随所に実際の写真も掲載されていますのでイメージしやすく、初心者にはダントツでこれを勧めます。
またかなり分厚い基本書ですが、科目ごとにセパレートになっていて取り外しができます。
取り外すと薄いので通勤・通学時の持ち歩きにも便利です。
赤シートも付属されており、重要な部分を赤シートで隠して読めるので暗記にもとても便利です。
ポイントもわかりやすくまとめられているため、全体的に見てかなり良い基本書だと思います。
2位:らくらく宅建塾
最近は人気が下降気味のようですが、まだ宅建士が宅地建物取引主任者と言う名前だったときからかなり好評だった鉄板の基本書です。
私の通っていた大学は宅建士試験の会場に選ばれることが多かったのですが日曜に電車に乗った時、これを読んでいる人が多かったことを覚えています。
オールカラーではありませんが赤刷りの部分も多く、ストレスは少ないです。
また1ページに字を詰めすぎない構成になっており、ポイントが強調されてわかりやすいです。
こちらも赤シートが付属されており、暗記の際にとても便利です。
3位:どこでも宅建士とらの巻
わかりやすい構成にはなっているのですがカラーではないので勉強慣れしていない人は少し取っつきづらいかもしれません。
ポイントが強調されているわけではないので他の2つよりは初心者向きと言う観点で見ると劣ります。
ただし内容はとても良いと思いますので資格試験に慣れている人や、すでに複数回受験した経験がある方で上記2つをすでに試している方はこちらの選択もありだと思います。
宅建おすすめの過去問
過去問はネットにもたくさんありますし、別にわざわざ買う必要もないんじゃないかと思われるでしょうが、初心者だからこそ過去問は買った方がいいと当ブログは判断しています。
先ほども申しましたように宅建は法律の試験です。そして法律は変わります。
実際に試験範囲である民法は令和2年に大改正されたばかりですし、不動産業者の報酬の計算では消費税率が大きく影響してくるのですが、消費税もここ数年8%、10%と変わっているため過去問があまり当てにならなかったりします。
購入した過去問であればそのあたりが調整されているのでやはり買った方がいいんじゃないかなと私は思います。
2021年版 パーフェクト宅建士 過去問12年間
かなり分厚い本ですが半分が解説冊子になっています。
宅建試験は4択問題になっているのですが、すべての問題の全設問ごとに解説がついているオーソドックスなタイプの過去問です。
こちらは12年分の過去問ですが、ここまでやれる自信がない場合は最低5年分の過去問を選ぶことをおすすめします。
解説がきちんとあって5年分以上の過去問は参考書選びにおいて必須条件です。
宅建の勉強法のコツ・攻略
宅建を攻略するにあたってまず知っておきたいのは試験範囲です。大雑把に見ると4部構成になっています。
- 権利関係(民法など)
- 法令上の制限
- 宅建業法
- 税・その他
この中で注目すべきなのが③の宅建業法、そして①の権利関係です。
まずは宅建業法を攻略する
業法は満点狙う勢いで仕上げておきたい
この中で最も簡単だと言われるのが③の宅建業法です。
宅建試験は50点満点で大体33点~35点取れれば合格できると言われていますが、宅建業法の科目の点数配分はなんと20点もあります。
内容的にも難しい解釈や判例は少なく、基本的に覚えればOK、暗記でOKな内容がほとんどです。
ここは満点を取る勢いで勉強しておくのが合格に近づく最も重要なポイントと言えます。
次に権利関係を攻略する
14点中10点は取れるように仕上げておきたい
次に攻略すべきは権利関係(民法など)です。点数配分は14点もあるのでここもしっかり勉強しておきたいところです。
しかし民法自体は1050条もあるため宅建で出やすい部分だけをしっかり押さえて試験に望むのが最も効率がいいです。
ここは法学部出身者と大きく差がつくところでもあります。
彼らはこの辺りが余裕みたいなので普通に満点狙ってきたりするのですが、初心者は触れる範囲が限られるのである程度運に左右されます。
要点を押さえて勉強してもちょっと勉強していないところを問われるともうお手上げです。
とは言え試験は4択から一つ選ぶ形式ですので25%で当たりが引ける可能性もあります(笑)
満点を狙わず、勉強した範囲を確実に答えられるよう備えておくのが初心者にはベストと言えます。
14点中10点は取れるように仕上げておきましょう。
その次は法令上の制限
業法・権利に比べれば重要度は下がります
法令上の制限の科目は、例えば建築基準法などでこう言うところには〇〇のような建物は立ててはいけないであるとかそういう決まり事が問われます。
点数配分は8点で都市計画法・建築基準法・国土利用計画法・農地法などから出題されます。
範囲が広いわりに点数配分は他に比べて高くないので満点を狙わず過去問重視で勉強した部分は確実に答えられるようになっておけば十分かと思われます。
範囲が広い分出るところもある程度絞られてきます。過去問で何度も出題されている範囲はしっかり覚えておきましょう。
税・その他は捨てる人もいる
ここよりは先に業法と権利を仕上げましょう
税は捨てたと言う人をネットなどでもたまに見ますが、実際私の知り合いの宅地建物取引士も税は捨てたと言っていました。
範囲が広く点数配分も高くないので、業法と権利を完璧に勉強しておくことの方が優先されるからです。
とは言え完全に捨てると言うのはもったいないため過去問で出た範囲くらいはこたえられるようにはしておいた方がいいと思います。
最低直近5年分の過去問で出題された範囲の内容は理解しておくといいと思います。
苦手科目があれば随時テキストを追加する
宅建は参考書も充実しているのでそれぞれの科目別のテキストも多くあります。
宅建業法のテキスト
宅建業法で過去問からよく出題されている問題を中心にピックアップされれているテキストです。合格者の正答率・不合格者の正答率が掲載されているため参考になります。
字が多い本ですがサイズは小さいので持ち運びには便利です。
権利関係のテキスト
同じく出る順宅建士シリーズから権利関係バージョンです。
合格者・不合格者の正答率が掲載されており、合否をわけるポイントを把握しやすいです。サイズがコンパクトなのもいいです。
法令上の制限・税・その他のテキスト
同じく出る順宅建士シリーズから法令上の制限と税その他です。
他の科目と同様によく出る問題がまとめられていることから、あまり勉強時間を割けない税その他などはこれを徹底的にやり込む作戦もよいかもしれません。
予想問題集
予想問題に取り組むよりも過去問を5年分5回こなす方がいいとは思いますが、それすらやりきってしまったと言う余力のある方は予想問題に取り組んでみるのも悪いことではないと思います。
ユーキャンの講座なら質問もできる
通信講座で有名なユーキャンには宅建士講座があります。
完全な独学と異なる大きなメリットはここまで紹介したようなテキストをイチからじっくり選ぶ必要がないことやわからないことを質問できることです。
独特な法律の解釈に慣れずに苦手に感じている人にとってはしっかり質問できる体制が整っている方が向いている可能性もあります。
まとめ
いかがでしたか?
以上が宅建の効率の良い勉強法の紹介になります。
初心者はいきなり過去問に手を出さないこと、点数配分の大きい業法と権利関係を完璧レベルに仕上げておくことが重要なポイントだと言えるでしょう。
ここでいくつかの参考書を紹介しましたが、参考書は人によって合う合わないがあります。
よく漫画で解説するタイプの基本書もありますが今回あえて紹介しなかった理由は私には合わないなと思ったので勧めませんでした。
漫画のストーリーを構成するために少し大事なところが端折られたり、ストーリーを進めるために解説が適当になっている箇所があったりするところがちょっと気になって個人的には合わないなと思ったからです。
とは言え漫画の方が合う人もいらっしゃると思いますので一応紹介しておきます。
少しでも参考になれば幸いです。