配管技能士とは技能検定の一種で、配管に関する学科試験と実技試験に合格した者に与えられる称号で、名称独占の国家資格になります。
配管技能士の特徴
あくまで名称独占の資格であるため、称号のような資格になります。
配管技能士とは
まず技能検定とは職業能力評価と言う観点から労働者の技能を一定の基準で公証するために国が設けている試験制度です。
あくまで能力評価であるため業務独占や必置義務などはありませんが、労働者の技能習得意欲の促進や社会的地位の向上を図り、日本の産業の発展に寄与するために職業能力開発促進法に基づいて実施されています。
技能検定に合格すると「技能士」の称号が与えられます。
技能検定は100種類以上存在し、配管技能士はそのひとつになります。
配管技能士は1級・2級・3級と存在し、それぞれ上級・中級・初級の技能労働者と位置付けられ、合格すると1級は厚生労働大臣から、2級・3級は都道府県知事から称号が与えられます。
転職や再就職に強い!
配管技能士の資格があることは配水管やガス管、換気設備など建築物の配管工事の技能が国によって評価されていると言うことになります。
また技能検定自体、原則として実務経験がなければ受験できないようになっています。
つまり配管技能士の資格があれば十分な実務経験があり、しかも能力があると言う証明にもなりますので、転職においてはかなりのアピール材料になるでしょう。
また配管工の需要は高くなってきていますので将来性もある職業と言えます。
もちろん転職や再就職に役立つだけでなく、配管技能士の資格があることで顧客の信用獲得に役立つと言うメリットもあります。
他資格への影響
1級・2級配管技能士は甲種消防設備士試験の受験資格を満たします。
また1級配管技能士(建築配管作業)・2級配管技能士は2級管工事施工管理技士試験の受験資格に必要な実務経験が4年以上あることで要件を満たします。
1級管工事施工管理技士試験に関しては1級配管技能士であれば、指導監督的実務経験1年以上を含む実務経験が10年以上あることで受験資格を満たします。
管工事施工管理技士試験についてはパッと見た感じではあまりメリットがないように見えますがそもそも必ず実務経験が必要となる資格ですし、指定の学歴がなければ受験に必要となる実務経験年数は最大15年以上となる、受験資格そのものを満たすことが大変な資格ですのでメリットはあります。
他には1級または2級の配管技能士(建築配管作業)は浄化槽設備士試験の受験資格を満たします。ただし平成16年度以降の2級配管技能士(建築配管作業)は4年以上の実務経験が必要です。
配管技能士になるには
学科試験・実技試験に合格すればOKです。3級以外は受験資格がありますので確認してください。
受験資格について
基本的には1級は7年以上、2級は2年以上の実務経験で受験資格を満たしますが学歴によって異なってきますので確認する必要があります。
3級は実務経験なしで受験できます。
1級配管技能士の受験資格
2級合格後か3級合格後かそれ以外かで必要とされる実務経験の年数が異なります。
2級合格後、1級を受ける場合は…
基本的には2年以上の実務経験があれば受験できます。
専門課程又は特定専門課程の高度職業訓練修了、応用課程又は特定応用課程の高度職業訓練修了、長期課程又は短期養成課程の指導員養成訓練修了、職業訓練指導員免許取得に該当する方は1年以上の実務経験で受験可。
また長期養成課程の指導員養成訓練修了者については実務経験なしで受験できます。
3級合格後、1級を受ける場合は…
基本的には4年以上の実務経験があれば受験できます。
専門課程又は特定専門課程の高度職業訓練修了者であれば2年以上の実務経験で受験可。
応用課程又は特定応用課程の高度職業訓練修了、長期課程又は短期養成課程の指導員養成訓練修了、職業訓練指導員免許取得に該当する方は1年以上の実務経験で受験資格を満たします。
また長期養成課程の指導員養成訓練修了者については実務経験なしで受験できます。
それ以外で1級を受ける場合は…
大学卒業、大学院入学資格付与課程の専修学校卒業、厚生労働大臣が指定した専修学校にて3200時間以上の授業を履修して卒業、普通課程の普通職業訓練修了(2800時間以上)に該当する方は4年以上の実務経験で受験資格を満たします。
短大・高専・高校専攻科卒業、大学編入資格付与課程の専修学校卒業、厚生労働大臣が指定した専修学校にて1600時間以上の授業を履修して卒業、普通課程の普通職業訓練終了(2800時間未満)に該当する方は5年以上の実務経験で受験可。
専門高校卒業、大学入学資格付与課程の専修学校卒業、厚生労働大臣が指定した専修学校にて800時間以上の授業を履修して卒業、短期課程の普通職業訓練終了(700時間以上)に該当する方は6年以上の実務経験で受験できます。
専門課程又は特定専門課程の高度職業訓練終了者は3年以上の実務経験で受験可。
応用課程又は特定応用課程の高度職業訓練終了、長期課程又は短期養成課程の指導員養成訓練終了、職業訓練指導員免許取得に該当する方は1年以上の実務経験で受験資格を満たします。
長期養成課程の指導員養成訓練終了者は実務経験は必要ありません。
上記以外の方は実務経験7年以上で受験することができます。
2級配管技能士の受験資格
3級合格後であるかそれ以外であるかで必要とされる実務経験が異なります。
3級合格後、2級を受ける場合は…
受験資格に実務経験は必要ありません。
それ以外で2級を受ける場合は…
大卒、短大卒、専門高校卒、専修学校卒、または職業訓練修了者に関しては受験資格に実務経験は必要ありません。
それ以外の場合は2年以上の実務経験で受験資格を満たします。
試験の内容
先述しましたが一口に配管技能士と言っても「建築配管作業」と「プラント配管作業」に区分されており、試験内容が異なります。
建築配管作業については学科試験は材料表の作成、作業試験は給水配管図に従って組み立てを行う試験になります。
プラント配管作業については学科試験はアイソメ図の作成、工数等の見積もりなど、作業試験はプラント配管系統の一部分の製作などを行います。
どちらもかなり専門的な内容なので、配管工として実務経験が全くない場合は非常に難しい言われています。
まとめ
以上が配管技能士に関する大まかなまとめになります。
配管工としてスキルアップを図る際に多くの資格が有効になり、配管技能士はそのひとつになります。
少しでも参考になれば幸いです。