陸上特殊無線技士とは無線従事者の一種で、送受信機の操作や国内の陸上に開設する無線局の電信通信を行うときに必要となる国家資格であり、必置資格になることもある資格です。
陸上特殊無線技士の特徴
「陸特」が略称になり、一級は一陸特、二級は二陸特、三級は三陸特、国内電信級は国内電信と呼ばれることもあります。
陸上特殊無線技士とは
陸上特殊無線技士は一級・二級・三級・国内電信級とあり、一級が最上位になります。
陸上特殊無線技士の資格があると警察やタクシーの無線など私たちにとって非常に身近な無線を扱う場所で活躍できます。
一級陸上特殊無線技士はひとつの周波数の電波にいくつもの信号を同時に乗せて通信するための送受信機を操作する資格になります。
この送受信機を多く設置している職場は電気通信事業会社、NHKなど放送会社、JR、電力会社、防衛庁などです。
二級陸上特殊無線技士は陸上のレーダーや陸上移動局、VSAT(ハブ局)などの技術操作に加え、三級陸上特殊無線技士の操作範囲も扱えます。
三級陸上特殊無線技士はタクシーやパトカーなどに設置されている送受信機を操作するための資格です。三級は視覚障がい者のため口述による試験も実施しています。
国内電信級は国内の陸上に開設する無線局の電子通信に限り扱うことのできる資格です。
また無線従事者資格を持たない無資格者が無線を扱うには「主任無線従事者」の監督下でなければならないと定められており、この主任無線従事者は無線局に必置の資格になります。
主任無線従事者はアマチュア無線技士以外の無線従事者から選任されるため陸上特殊無線技士も選任の対象になります。
他資格への影響
陸上特殊無線技士の資格があれば級を問わず、甲種消防設備士試験の受験資格を満たします。
陸上特殊無線技士になるには
試験に合格する、所定の無線通信に関する科目を修めて学校を卒業する、養成課程を修了することで取得できます。試験に受験資格はなく誰でも受験できます。
試験の合格率は
一級は20~30%程度、二級は75%前後、三級は85%前後、国内電信級は20%前後を推移しています。
国内電信級に関してはあまり人気がなく受験者数が非常に少ないです。
試験の内容と科目免除
一級・二級・三級陸上特殊無線技士の試験科目は無線工学と法規になります。
国内電信級陸上特殊無線技士の試験科目は電気通信術と法規です。
二級総合無線通信士を持っていると一級陸上特殊無線技士試験の法規が免除対象になります。
試験に合格せずに取得するには
学校で通信工学や電磁波工学など無線通信に関する科目を修めて卒業することで陸上特殊無線技士の資格を取得することができます。
進路選択の際にはぜひ意識しておきたいです。
また無線従事者資格の中には国家試験に合格せずとも「養成課程」を修了することで取得できるものがあり、陸上特殊無線技士の資格はその対象になっています。
一級~三級は講習で無線工学と法規を学び、国内電信級は電気通信術と法規を学びます。
また一級を養成課程で取得するには条件があります。
電気通信に関する課程を修めて学校を卒業した方や総合無線通信士(2級・3級)・海上無線通信士(1級・2級・4級)・航空無線通信士の有資格者、講習を受ける5年以内に通算3年以上の所定の業務経歴がある者、第一級陸上無線技士の選抜試験合格者のいずれかであることが必要です。
まとめ
以上が陸上特殊無線技士に関する大まかなまとめになります。
この資格があるからと言ってものすごく就職に強いと言うわけではありませんが、活躍の場は私たちが非常にイメージしやすい無線を扱う場所ばかりです。
そう言った意味で非常に実用的な資格と言えます。