航空無線通信士とは無線従事者の一種で、航空機と管制塔との交信など航空機無線や地上に設置された航空局などの無線設備で通信操作を行うときに必要になる国家資格であり、必置資格になることもある資格です。
第一級・二級総合無線通信士の下位資格であり、航空特殊無線技士の上位資格になります。
航空無線通信士の特徴
略称は航空通になります。この資格は他の無線従事者と違い、一級や二級などと言った級はありません。
航空無線通信士とは
飛行機と管制塔とが行う無線通信の際に必要になる資格で、通常パイロット・航空管制官・航空通信士が取得する資格になります。
航空無線通信士が行うことのできる操作範囲は以下です。
- 航空機に施設する無線設備と航空局、航空地球局および航空機のための無線航行局の無線設備の通信操作(モールス符号による通信操作を除く)
- 航空機に施設する無線設備の技術操作
- 航空局、航空地球局および航空機のための無線航行局の無線設備で空中線電力250w以下のものの技術操作
- 航空局および航空機のための無線航行局のレーダーで③に掲げるもの以外のものの技術操作
また無線従事者資格を持たない無資格者が無線を扱うには「主任無線従事者」の監督下でなければならないと定められており、この主任無線従事者は無線局に必置の資格になります。
主任無線従事者はアマチュア無線技士以外の無線従事者から選任されるため航空無線通信士も選任の対象になります。
他資格への影響
航空無線通信士の資格を持っていると甲種消防設備士の受験資格を満たします。
また一級陸上特殊無線技士の養成課程を受けることも可能になります。
航空無線通信士になるには
試験に合格するか養成課程を修了することで取得できます。試験に受験資格はなく誰でも受験できます。
合格率は40%前後
航空無線通信士試験の合格率はだいたい30%~40%あたりを推移しています。
試験の内容と免除
航空無線通信士試験の科目は無線工学、電気通信術、法規、英語になります。
また航空無線通信士試験には科目免除があり、一度合格点を取った科目は3年間有効です。
電気通信術の科目については第一級・二級総合無線通信士試験の電気通信術の科目に合格しても3年間免除の対象になります。
免除は他にもたくさんあります。
陸上無線技術士、航空特殊無線技士の資格を持っていると航空無線通信士試験の一部の科目が免除されます。
また総務大臣の指定を受けた学校等を卒業すると一部科目免除が認められることもあります。
養成課程講習を受けて取得する
無線従事者資格の中には「養成課程」を修了することで資格が取得できるものがあり、航空無線通信士はその対象になっています。
養成課程を修了することで国家試験に合格することなく資格を取得することが可能です。
講習では無線工学、電気通信術、法規、英語を学びます。
養成課程を受けるには高卒以上または中等教育学校卒業と同等以上の学力がある者であることが条件になります。
まとめ
以上が航空無線通信士に関する大まかなまとめになります。
航空会社でパイロットや管制官として働く際に必ず必要となる資格ですので興味のある方にとっては非常に重要な資格になります。
少しでも参考になれば幸いです。