保健師とは市町村役場・保健所・学校などで地域住民に必要な保健指導に従事することを業とする名称独占の国家資格です。
保健師の特徴
現在保健師は基本的に看護師の資格がなければ取得することができません。
保健師の仕事内容
保健師は市町村役場・保健所・学校で、健康診断を行ったり個別に家庭を訪れて健康診断を行ったりと言ったその地域の住民の健康生活に必要な保健指導を行うことで病気を予防していくと言った地域看護の専門家と言えます。
保健師の活躍する場所は大きくわけて3つになります。
まず行政保健師。保健所や市役所などで地域住民の健康管理を担う役割になり、公務員として働くことになります。多くの保健師が行政保健師として働いていらっしゃいます。
次に学校保健師。大学、専門学校の保健室で働きます。これはいわゆる保健室の先生とは少し違い、私たちがイメージする公立の小中高で働く保健室の先生になるには養護教諭の教員免許が必要になります。
最後に産業保健師。企業内で従業員の健康対策やうつ病など精神面での健康対策を行います。
収入も良く働きやすく安定した仕事環境
保健師の平均年収は約500万円と言われており、一般的な労働者より若干高いです。しかし保健師の場合どこで働くかによってブレがあります。
産業保健師であれば大企業に勤めることになれば年収800万円以上になる方も出てきますが小さな会社であればかなり少なくなることもあります。
公務員として働くことになる行政保健師や保健室の先生の場合は大企業の産業保健師ほど年収に期待できませんが、公務員ならではの安定感は魅力的です。
また医療関係の仕事は医師や看護師のようにどうしても残業が多くなりがちですが、保健師についてはこれらに比べると残業は少なく働きやすい環境と言えます。
このように比較的年収は高く安定した仕事環境が非常に魅力的ですが、そのためあってか非常に人気の資格でもあるため競争率は高く、就職にものすごく強い資格とは言いづらいでしょう。特に産業保健師の場合、ほとんどが保健師1名で十分になるため求人は決して多くはありません。
他資格への影響
保健師は無試験で第一種衛生管理者免許を取得できます!
また保健師として5年以上の実務経験があれば介護支援専門員(ケアマネージャー)試験の受験資格を満たします。
また保健師として10年以上業務に従事していれば労働衛生コンサルタント試験の受験資格を満たす上に一部科目免除の対象になります。
保健師になるには
試験に合格すればOKです。ただし受験資格としてまず看護師試験に合格する必要があり、さらに保健師としての教育を受ける必要があります。受験資格はけっこう厳しいので要確認です。
保健師試験の受験資格
まず保健師試験を受験するには看護師国家試験に合格する必要があります。
看護師試験に合格したのち、保健師養成所や保健師養成課程を持つ短大で1年以上勉強することで受験資格を満たすことができます。
看護師試験に合格しなくても保健師・看護師統合カリキュラムを採用している看護系大学や看護系専門学校(4年以上)卒業者は卒業と同時に保健師試験を受験することが可能ですが、最終的に看護師試験にも合格しなければ保健師として働くことができません。
合格率86%~99%
近年合格率は90%を超えることも多いです。
元々かなり勉強した上でないと受験できない仕組みになっていることもあってか、専門的な内容にも関わらず合格率はかなり高くなっています。
まとめ
以上が保健師に関する大まかなまとめになります。
受験資格を満たすことが非常に大変ですがその後の待遇が良いこともあり、人気の高い資格です。
将来看護師になりたいと考えていらっしゃるお若い方やお子さんがいらっしゃるようでしたら、保健師・看護師統合カリキュラムを採用している看護系大学や看護系専門学校の選択も考えてみてはいかがでしょうか。