行政書士とは、さまざまな書類の作成・提出代理を行ったりそれに伴う問題解決を行ったりするなど、身近な法律コンサルタントとして幅広く応用して活躍することができる独占業務を持つ国家資格です。
行政書士の特徴
司法書士と名前はよく似ていますが法律相談以外の主な仕事の内容は大きく異なります。
司法書士は登記業務、行政書士は書類の代理提出等が特徴としてあげられますが実は行政書士はさまざまな可能性を秘めた資格なんです。
大化けできる資格
行政書士の基本的な業務は役所に対する許認可申請書類などの作成・提出代理をする「代理屋」です。
一見それだけのように見えますがこの許認可申請の範囲はきわめて多岐に渡ります。
例えば建築業の許可申請、バスやタクシー業の許可申請、旅行業・倉庫業・飲食店・風俗業の営業許可、外国人の在留延長、自動車登録、車庫証明申請書、法人設立申請書などなど、企業から個人まで7000種類にも及ぶと言われています。
あまりにも多岐に渡るため弁護士・弁理士・公認会計士・司法書士・土地家屋調査士・税理士・建築士・社会保険労務士に関連する書類作成を禁じることが明記されています。逆に言えば禁止事項以外の業務はすべて可能であるといることです。
またそれに伴う法律知識でさまざまな問題解決も要求されるため、民間同士のトラブルなどにも応用できたりします。
やり方次第で大化けできる可能性を秘めた資格と言えます。
独立開業も十分に可能
企業内でも十分に活用できる資格ですが、難関国家資格ゆえにもちろん独立開業にも有利です。
行政書士の仕事は単発案件が中心となるため、弁護士などのように企業との顧問契約が取りにくいため、顧客との接点をどれだけ拡大できるかということがポイントになります。
人脈やコネクションを作り、インターネットをフル活用したり、社会保険労務士など他の有資格者との共同事務所にしたり、海事代理士と兼業したりなど、さまざまな顧客獲得の工夫が必要と思われます。
平均年収は600万円程度
このように行政書士は幅広く活躍でき、大化けする可能性を持ってはいるのですが、逆に言えばうまく使える人とそうでない人との差がつきやすいとも言えます。
稼いでいる人は2000万円、3000万円、1億円以上と稼ぎ出しますが、そうでない人は年収300万円以下と言うケースもあり、稼いでいる人とそうでない人との差が激しい実力主義の業種とも言えます。
他資格への影響
行政書士有資格者は社会保険労務士試験の受験資格を満たします。
次にあげられるのは行政書士有資格者は、難関資格である弁理士試験の論文式筆記試験の選択科目が免除となることです。
他には税理士試験の受験資格のひとつに「行政書士の業務を通算2年以上従事した者」とあります。
またファイナンシャルプランナーの資格は上位のものになると実務経験が必要になるのですがその例として「行政書士として資産に関する相談業務に従事している方」とありますのでご参考までに。
行政書士になるには
基本的には国家試験合格+日本行政書士連合会に登録するで行政書士になることができますが、一部無試験で登録することで有資格者として認められる例もあります。
受験資格はなく誰でも受験できることも特徴のひとつです。
公務員OBは無試験で登録可能
弁護士、弁理士、公認会計士、税理士の有資格者は登録することで資格を取得できます。
また国や地方公共団体の公務員として行政事務を担当した人も無試験で登録することができます。行政事務を担当する期間は通算20年です。高卒以上の場合は17年となります。
国家試験合格率は6~9%
合格率については上昇傾向にありますが、それでも試験の難易度はかなり高いものであることには変わりありません。
試験の内容
行政書士の業務に関し必要な法令等として憲法、行政法、民法、商法、基礎法学の法律系の科目にくわえ、一般知識等も問われます。
合格点としては法律系の科目が50%以上得点できていること+一般知識が40%以上得点できていること+総得点が60%以上である者になります。
まとめ
以上が行政書士に関する全体像のまとめになります。
現状にしろ試験にしろ、行政書士の世界はとにかく実力主義の業界でなんですね。
少しでも参考になれば幸いです。