司法書士とは?試験の難易度や合格率、仕事内容や平均年収
資格の鎧

司法書士とは?試験の難易度や合格率、仕事内容や平均年収

バインドされた法的書類

司法書士試験は超難関として有名な資格です

司法書士とは「街の法律家」とも言える存在であり、主に不動産登記などの書類作成業務を行うことを独占業務とする国家資格です。

司法書士の特徴

行政書士と名前がよく似ていますが行政書士の仕事は主に役所に提出する書類の代理、司法書士の仕事は登記と法律業務です。現在はその仕事の二極化が進行しています。

法律系業務として

法律事務所の本棚

過払い金・自己破産・成年後見人などはよく知られていますね

法律系業務としての司法書士は、簡易裁判所に限って法廷に立てますが、それ以外の法廷で代理人として訴訟指揮ができないというだけで弁護士とほとんど同じ機能を持っていると考えて差し支えないと思われます。

本人訴訟や少額訴訟の相談から訴状の作成、多重債務の整理、自己破産、過払い金請求などを専門とする司法書士もいます。

また認知症となった老人の財産を管理する「法廷成年後見人」になることもできます。高齢化社会である今、この後見人は成長性の高い分野と考えられます。

登記業務として

不動産

司法書士の独占業務!登記のイメージが最も一般的かもしれません

司法書士と言えば登記と言うイメージを持つ方も多いと思われますが、実際に独立開業した司法書士の報酬の8割は不動産登記と言われています。

土地の所有権の登記、マンションの抵当権の設定の登記などの不動産登記や、会社の法務局への登記などの商業登記などを行います。

不動産登記申請は所有者に関する登記だけでなく、中古物件の場合であれば1つの案件から複数県の手数料が得られるため、不動産登記を主業務とする司法書士は多いです。

もちろん独立開業も

ジャンプ

多くの方が独立しています

企業の法務部などで活躍することも可能ですが、多くの方が先輩事務所で実務を経験したあとに独立開業と言う道を選んでいるようです。

ただ古参から若手への世代交代が進行しており、それによって登記業務メインとなるケースは銀行や不動産業者など特定の顧客と信頼関係を継承できた人となり、そうでない場合は多重債務や自己破産等の法律系業務をメインとするようになりそうです。

口コミがベースとなりやすい業界なため、細く長く続けることで業界に根付いていく覚悟が必要となりそうです。

平均年収は600万円程度

お金

昔は稼げたと言われていますが近年は厳しいと言われています

競合は増えたのに顧客は減っているという士業の現状は厳しいと言われています。

司法書士としてはじめて働き出したときの年収は平均240万~と一般の会社員よりも低いです。

独立開業しても年収500万円未満の割合も多く、成功している人とそうでない人の差が激しい業種です。

他資格への影響

パソコンを見て考える男性

弁理士、税理士、社労士、FPの資格に影響があります

司法書士有資格者は同じく法律系の難関資格である弁理士試験の論文式筆記試験の選択科目が免除となります。

また司法書士試験合格者は社会保険労務士試験の受験資格を満たします。

他には税理士試験の受験資格のひとつに「司法書士の業務を通算2年以上従事した者」とあります。

またファイナンシャルプランナーの資格は上位のものになると実務経験が必要となるのですがその例として「司法書士として資産に関する相談業務に従事している方」とありますのでご参考までに。

司法書士になるには

国家試験に合格し、事務所を開設しようとする住所地を管轄する司法書士会を経由して、日本司法書士会連合会に登録することで司法書士を名乗ることができます。

裁判所事務官や法務局の登記官経験者などは無試験で登録可能です。

合格率は3%台

難しい

超難関です

試験に受験資格はなく、誰でも受験できます。

司法書士試験は憲法、民法、会社法、刑法、不動産登記法、商業登記法、供託・民事訴訟、民事執行、民事保全法、司法書士法と非常に幅広く、実務的で細かな問題が出題されます。

合格率も3%台を推移している超難関資格ですが、合格後に司法修習所で実務を学ぶ司法試験とは異なり、司法書士は合格後に登録すればすぐに実務家として活躍できることが前提となっています。

試験の内容

試験勉強

他難関資格に比べて足切り点がかなり高いためほぼ完ぺきな知識が求められます

試験は筆記試験と口述試験があり、筆記試験は1次と2次に分かれています。

受付期間は5月に行われ、筆記試験は7月に、口述試験は10月に行われます。

筆記試験の1次と2次は午前と午後に行われ、1日で終了します。口述試験は筆記試験合格者のみ行われます。口述試験に合格できなくても申請によって次年度の筆記試験が免除されます。

筆記試験は足切り点がかなり高く、すべてにおいてほぼ完ぺきなまでの知識を身に着けておかなければ合格できないようになっています。口述試験はほとんどの方が合格します。

1次試験(午前の試験)
  • 憲法
  • 民法
  • 会社法
  • 刑法
2次試験(午後の試験)
  • 不動産登記法
  • 商業登記法
  • 供託・民事訴訟・民事執行・民事保全法
  • 司法書士法

独学ではかなり厳しいです

講習イメージ

司法書士のような難関資格はスクールに通うのが基本です

基本的に難関資格は独学で取得するにはハードルが高すぎますので資格スクールに通って取得するのが最も効率的な選択になります。司法書士のような超難関資格であれば尚更です。

有名どころの伊藤塾では入門講座は法律学習経験ゼロでも問題ない内容になっています。

中級コースは択一式基準点に4~9問程度達していない方などにおすすめのコースで、中上級コースは2017年本試験の基準点に5問程度足りなかった方や記述式の得点を安定させたい方におすすめのコースになっていますよ。

伊藤塾

伊藤塾の司法書士試験講座

入門講座・中上級講座とレベル別に合わせた講座があるため法律学習経験がまったくない方でも抵抗なく受講できます。入門講座は法律知識ゼロの方も歓迎していますよ。

まとめ

コーヒーを飲む女性

いかがでしたか?

以上が司法書士に関する大まかな全体像になります。

司法試験につぐ難関資格と言われているだけあり非常に厳しい試験になっています。

少しでも参考になれば幸いです。