測量士補とは測量士の作成した計画に従い、測量の仕事をする国家資格です。測量会社において設置するよう定められている必置資格でもあります。
測量士補の特徴
はじめて日本地図を作製した伊能忠敬も日本中を歩いて測量しました。
測量士補の仕事
このような機材を使って道路で作業をしている人を見たことがありませんか?
これはトータルステーションと言い、距離と角度を同時に観測することができる測量機器で、現在測量現場で最もよく使われていると言われているものです。
測量とは街をつくるために土地の広さを測量したり、位置を測定したり地図を作ったりすることを言います。
測量士補は上位資格である測量士が作成した計画に従い、測量の仕事を行います。
需要は比較的安定していると言われるが…
測量士・測量士補と言うくらいなので測量の仕事はこれら専門の資格を持った方しかできないかと言えば実はそうではなく、測量士や測量士補でなくとも測量の仕事はできます。
ただし公共の測量業務を行うためには測量士・測量士補の資格がなければ行うことができないと言う業務独占資格になっています。
公共に関する仕事があるため需要は比較的安定していると言えますが、公共測量をしていないところでは別段この資格が必要になるわけではありません。
また専門知識や技術が必要である上に現場系の仕事であるため体力も頭も資格も必要とされる上に拘束時間が長く残業も多いと言った、なかなかハードな仕事であるにも関わらず年収は一般的なサラリーマンとあまり変わらないと言われており、この点はかなり不満を抱えている測量士もかなり多いようです。
この点は目指す上であらかじめ考慮しておいた方が良いと思われます。
他資格への影響
測量士補の資格を取得すると土地家屋調査士試験の午前試験が免除になります。
土地家屋調査士は不動産の表題登記を独占業務とする国家資格で非常に難関ですが、独立開業が十分狙える資格です。
現に土地家屋調査士合格者の多くが測量士補の資格を取得してから受験に臨んでいます。
測量士補の資格を最も有効活用できるとすら言えるのではないでしょうか。
測量士補になるには
学校等を卒業するか国家試験に合格することで測量士補の資格を取得できます。国家試験に受験資格はなく誰でも受験できます。
学校を卒業して取得
大学、短大、高等専門学校で測量に関する科目を修めて卒業すると測量士補の資格を取得できます。その後は1年~3年の実務経験のみで測量士にステップアップできます。
他には測量に関する養成施設で1年以上、測量士補になるための専門の知識・技能を修得すると測量士補の資格を取得できます。こちらも同じくその後2年以上の実務経験のみで測量士にステップアップできます。
国家試験に合格して取得
国家試験に合格して測量士補の資格を取得した場合、実務経験のみで測量士にステップアップすることはできません。
合格率は平均23%程度
合格率は年々高くなっている傾向にあり、平成28年度の合格率は35.9%となっています。
試験の内容
試験は8科目です。
測量に関する法規、多角測量、汎地球測位システム測量、水準測量、地形測量、写真測量、地図編集、応用測量とかなり専門的な内容になっています。
全体の65%以上得点できれば合格です。
まとめ
以上が測量士補に関する情報の大まかなまとめになります。
将来測量関係の仕事をする場合は学校を卒業して資格を取得する方がその後実務経験でステップアップすることを考えると確実に有利です。
試験を受験して取得するのも良いですが測量業界は他業種から転職が難しいため、測量士を目指す場合は若い方が圧倒的に有利になることは頭に入れておく必要があります。
また難関資格である土地家屋調査士を目指す場合は二次免除のためにぜひ測量士補の資格を取得しておきたいです。上位資格である測量士も免除対象ですが難易度がグッとあがります。
少しでも参考になれば幸いです。