管理理業務主任者は2000年に施行された「マンション管理の適正化の推進に関する法律」に基づいて2001年にマンション管理士と共に誕生した資格です。
マンション管理士は名称独占であるのに対し、管理業務主任者はマンション管理会社の事務所ごとに一定人数有資格者を置かなければならないと定められている必置義務のある国家資格です。
管理業務主任者の資格の特徴
マンションの管理を適正に運営していくためのマネジメント業をする実務資格になります。
管理業務主任者の仕事内容
日本にはたくさんのマンションがありますが、当然時間が経つとマンションは老朽化していきます。
老朽化したマンションには修繕が必要になり、その際修繕費を積み立てしていなければ修繕することができず、結果的にはそのままスラム化していくでしょう。
管理業務主任者はマンションの管理を適正に運営していくマネジメント業務を担います。
同系の資格であるマンション管理士はコンサルタント系資格であるのに対し、管理業務主任者は実務資格です。
基本は事務職であり管理委託契約の重要事項説明、住民への対応やクレーム処理などを行います。
必置義務があり就職に強い!
管理業務主任者は管理会社の事務所ごとに一定人数有資格者を置かなければならないと定められているため、マンション管理業界での就職・転職は有利になるでしょう。不動産会社などの社内でも有用な資格です。
管理業務主任者だけでなく、マンション管理士や宅地建物取引士も同時に取得しておくとかなり強くなると思われます。
同系の資格であるマンション管理士の方が管理業務主任者よりレベル的には上位の資格なのですが、必置義務があるのはこちらの管理業務主任者だけでマンション管理士には必置義務はありません。
年収は平均400万円程度
勤務先がどこになるかにもよりますが一般的な管理会社に就職した場合、年収は平均400万円程度になるようです。
高収入に期待するタイプの資格ではなく、堅実なタイプの資格と考えた方が良いかもしれません。
他資格への影響
管理業務主任者であれば民間資格のマンション維持修繕技術者試験の受験資格を満たします。
管理業務主任者になるには
試験に合格し、登録することで管理業務主任者になれます。受験資格は特になく、だれでも受験できます。
H28度合格率は22.5%
管理業務主任者の国家試験は明確に合格点が定められているわけではなく、受験者の人数の上位20%程度を合格とするように調整されるため、毎年変動します。
平均すると50点満点中だいたい35点くらい取れれば合格点と考えて問題ないでしょう。
上位2割となると決して簡単な試験ではありませんが、少なくとも同系の資格であるマンション管理士の合格率が7~9%であることを考えるとまだ挑戦できる部類の国家資格だと思います。
試験の内容
試験機関である一般社団法人マンション管理業協会のHPには以下のように書かれています。
引用元:一般社団法人マンション管理業協会
- 管理事務の委託契約に関すること
- 管理組合の会計の収入および支出の調停ならびに出納に関すること
- 建物及び附属設備の維持又は修繕に関する企画又は実施の調整に関すること
- マンションの管理の適正化の推進に関する法律に関すること
- その他管理事務の実施に関すること
内容的には「区分所有法」「民法」「マンション管理適正化法」など管理業務主任者の実務に必要な法律だけでなく、簿記や財務諸表論なども出題され、範囲は結構広いです。
管理業務主任者はカンタンな部類だと言う人も世間にはいますがこの内容を見る限り、あらかじめ知識がない人間がはじめるには決して簡単な部類ではないと言えます。
逆にあらかじめ法律についてある程度理解していたり、宅建などその他不動産系の資格を持っていたり、簿記や財務諸表論の知識がある人にとってはある程度勉強範囲が絞れるので少しは楽になるとは思います。
他人の煽りをまともに受けずに何度も学習して着実に実力をつけていく必要があるでしょう。
まとめ
以上が管理業務主任者の仕事内容や年収、有利さ、試験の内容や合格点などの情報のまとめになります。
必置義務がある資格で比較的挑戦しやすそうな合格率であることから、着実に就職・転職することを目的とする方にはとても良い資格だと思います。
世間ではこういうタイプの試験を簡単だと言う人も多いですが、まったくの畑違いの場にいて知識がない人には最初はかなり取っつきにくい内容であるため難しいと感じて当然の内容だと思われます。
また合格点が毎年変動するタイプの試験ですのであらかじめ知識がなかった人は一発で合格できないことも考えられますが、自信を失わずに着実に実力をつけて挑戦してもらいたいです。
勉強をはじめるにあたって平行して同系の資格であるマンション管理士や宅建なども取得できればさらに就職に強くなると思われます。