旅行業務取扱管理者とは、旅行業務を行う営業所ごとに有資格者を1名(社員が10人以上の場合は複数)置かなければならないと定められている必置資格でもある国家資格です。
旅行業務取扱管理者の特徴
旅行業務に不可欠な資格なのでこの業界への就職を目指すのであれば必須と言えます。
必置義務あり
前述通り、この資格は旅行業務に携わる営業所ごとに必ず旅行業務取扱管理者の有資格者を配置しなければならないと定められているので旅行業界への就職や転職に活用できます。
人気の旅行業界への就職に有利となるのは喜ばしいですが難点があるとすればそもそも旅行に行こうと考える人自体が昔に比べて減ってしまっていること、そして旅行業界以外の就職に役立つことはあまりないことと言えるでしょう。
このあたりは旅行業務取扱管理者の資格に挑戦する前によく考える必要があります。
仕事の内容
旅行業務取扱管理者は旅行業のプロ資格であり、旅行商品の販売、旅行に関する計画の作成から旅程までの管理・監督が仕事になります。
2005年に旅行業法が改正されたのですがこのときまでは旅行業務取扱主任者と呼ばれており、「管理者」になったことで旅行商品の販売だけでなく、旅行の管理・監督をも行うと言う重要な役割が与えられました。
旅行業務取扱管理者が行う具体的な業務は以下の管理・監督に関する事務になります。
- 旅行に関する計画の作成
- 料金の提示
- 旅行業約款の提示および据え置き
- 旅行者に取引条件を説明
- 旅行者に契約書面を交付
- 旅行の広告
- 旅程管理措置
- 旅行に関する苦情の処理
- 契約内容にかかわる重要な事項についての明確な記録または関係書類の保管
年収は
年収に関しては平均3,400万円と特に有資格者だからお給料が良いと言ったわけではありませんが、企業によっては資格手当がつくところもあります。
また経験を積んで自分で起業することも可能になります。
独立も可能
旅行業務取扱管理者として経験を積むことで独立することも可能です。
ただ旅行業務を立ち上げるには旅行業の免許が必要になり、この他にも営業保証金を供託するか旅行業界に弁済業務保証金分担金を納付する必要があります。
むろんこれらは会社の資本金や運営費用とは別に必要となる資金であり、会社の規模や免許の種類にもよりますがあまり乏しい資金で簡単に起業できる業界ではないことは頭に入れておく必要があります。
とは言え資格単体で年収に大きく期待できるわけではないので、経験を積むためにも独自のアイディアでヒット商品を企画するなど業界で実績をあげて待遇の良い会社に移動するなり何かしら先を読む必要があります。
例えば現在は高齢化社会であり、旅行者も高齢化していることを考えて福祉系の知識を身に着けて自分のキャリアアップにつなげる…など視野を広げると面白い発見があるかもしれません。
旅行業務取扱管理者は2種類ある
この資格は「国内」と「総合」の2種類あります。
国内旅行業務取扱管理者
国内旅行業務取扱管理者は扱える範囲が国内旅行に限定される資格です。
そのため海外旅行を取り扱う営業所では国内旅行業務取扱管理者でなく、次の有資格者を置く必要があります。
総合旅行業務取扱管理者
総合旅行業務取扱管理者は海外旅行にも携わることができる資格です。
そのため「総合」と「国内」のどちらが有利かと言えばもちろん海外旅行も扱うことができるこの総合旅行業務取扱管理者になります。
他資格への影響
国内旅行業務取扱管理者も総合旅行業務取扱管理者も、全国通訳案内士試験の「日本地理」の科目が免除対象になっています。
全国通訳案内士は語学系資格の最高峰の資格であり、有資格者の中には旅行業界で働いている方も多く、旅行業務取扱管理者と相性の良い資格と言えます。
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法改正により通訳案内士は全国通訳案内士になりました。業務独占が廃止され名称独占になり定期研修が義務付けられました。将来性はいかに