特定建築物調査員とは特殊建築物等の敷地、構造および建築設備について定期的な調査をすることができる国家資格です。
特定建築物調査員の特徴
平成28年に建築基準法が改正される前までは「特殊建築物等調査資格者」と呼ばれていた資格です。
特定建築物調査員とは
学校、病院、診療所、百貨店、ホテル、映画館、事務所ビルなど不特定多数の人が出入りする特殊建築物は定期的に調査をして特定行政庁へ報告しなければならないと建築基準法で義務付けられています。
この安全上、防火上、衛生上、特に重要な民間建築物の安全確保のための調査を行うのが特定建築物調査員になります。
またこの定期調査業務は一級建築士、二級建築士も行うことができます。
他資格への影響
消防設備点検資格者と言う資格は受講することが資格を取得できるのですが受講資格がとても厳しいです。
しかし特定建築物調査員の資格があれば消防設備点検資格者の受講要件を満たします。
また特定建築物調査員の有資格者は昇降機等検査員、防火設備検査員の建築学概論の科目の受講免除対象になっています。
申請することで免除が可能です。
特定建築物調査員になるには
講習を修了し、修了考査に合格する必要があります。受講資格が定められています。
受講資格
まず建築学、土木工学、機械工学、電気工学等の過程を卒業し、建築に関する実務経験を積むことで受講資格を満たせます。
大学卒業であれば実務経験は2年以上、3年制短期大学(夜間を除く)卒業であれば3年以上、2年制短期大学もしくは高等専門学校卒業であれば4年以上、高校卒業であれば7年以上になります。
学科についての詳細は一般財団法人 日本建築防災協会によると以下のようになります。
建築工学科、建築学科、建築科、建設工学科、環境デザイン学科、環境都市工学科、建築CAD設計科、建築設計科、住居学科、建設科、建築デザイン科、生活環境学科、建設環境工学科、建築設備工学科、建築デザイン学科、住居環境科、デザイン学科、土木学科、土木工学科、建築設備工学科、建築設備科、設備工業科、衛生工業科、機械工学科、機械学科、生産機械工学科、精密機械工学科、応用機械工学科、電気工学科、電気学科、電気科、電気技術科、電気工作科、電子科、電子工学科、電気電子工学科、電気通信工学科、通信工学科
指定学科を卒業していなくても建築に関して11年以上の実務経験があれば受講資格を満たします。
他には建築行政に関しての実務経験2年以上、火災予防業務に関しての消防吏員としての実務経験5年以上、甲種消防設備士としての実務経験5年以上、防火対象物点検資格者としての実務経験5年以上でも受講資格を満たします。
また一級建築士、二級建築士、建築基準適合判定資格者の有資格者など、これらと同等以上の知識および実務経験があれば受講資格を満たします。
講習の内容
講習は1日6~7時間で4日間にわたって行われます。受講料は51,840円(平成29年度)になります。
1日目
特定建築物定期調査制度総論(1時間)
建築学概論(5時間)
2日目
建築基準法令の構成と概要(1時間)
特殊建築物等の維持保全(1時間)
建築構造(4時間)
3日目
防火・避難(6時間)
その他の事故防止(1時間)
4日目
特定建築物調査業務基準等(4時間)
修了考査(2時間)
まとめ
以上が特定建築物調査員に関するまとめになります。
受講条件は厳しいですが、受講のみで取得できる資格であり、重要な仕事を行える資格になりますね。
少しでも参考になれば幸いです。