義肢装具士とは身体機能が失われた障がい者の日常生活を用意するために装着する義手や義足、コルセットなどを製作・適合する特殊技術者です。業務独占の国家資格になります。
英語名はProsthetist and Orthotistになり、略称はPOです。
義肢装具士の特徴
医療系の資格ですが医学とも工学ともかかわる特殊な仕事です。
義肢装具士の仕事内容
身体機能が失われた障がい者に装着する体の部位から型をとり、利用者にふさわしい義手や義足、コルセットなどを製作することが仕事になります。
まず義肢装具士は病院やリハビリテーション施設、肢体不自由児施設などから依頼を受けて現場に向かい、利用者の相談内容や医師の処方に耳を傾け、両者の意見にもとづいて採寸・採型を行います。そして採寸・採型にもとづいて義肢や装具を製作し、利用者に適合させます。
最近では素材の軽量化や機械部品の小型化、技術革新などによって、より快適性を求める傾向にあり、健常者の能力をしのぐ義足なども登場しています。パラリンピックでとんでもないスピードで走る義足の選手もいますよね。
モノ作りが好き、人と関わることが好きという方に向いている仕事と言えます。
就職先や平均年収
医療系の資格ですが義肢装具士は資格取得後、民間の製作会社へ就職するケースがほとんどになり、ここを拠点にして病院での仕事、営業、製作を行います。
全体的に人材不足気味ですので就職はしやすい資格になりますし、また転職においても有利な資格と言えます。
平均年収は400万円前後になります。
ただし労働時間はどうしても長くなりがちで残業も多く有給も取りづらいと言う点はあらかじめ理解しておく必要があるでしょう。
他資格への影響
義肢装具士として実務経験が5年以上あれば介護支援専門員(ケアマネージャー)試験の受験資格を満たします。
義肢装具士になるには
試験に合格すればOKです。受験資格を満たすために養成所などで勉強する必要があります。
受験資格について
まず高卒以上である必要があります。
高卒の場合は文部科学大臣か都道府県知事が指定した専門学校などの養成所で3年以上、義肢装具士に必要な知識・技能を勉強することで受験資格を満たします。
大学や4年生高等専門学校で指定科目を修めて卒業した場合は、同じく養成所で2年以上勉強することで受験資格を満たします。
指定科目とは「心理学、倫理学、社会学、人間発達学、社会福祉学から1科目」「数学、物理学、生物学、数理統計学から2科目」「外国語」「保健体育」になります。
他には義肢・装具製作技能士の方であれば養成所で1年以上勉強することで受験資格を満たします。
また外国で義肢装具士の学校を卒業したり免許を受けていたいする方は厚生労働大臣に認定されることで受験できます。
合格率は高め
他の医療系の資格にも言えることですが、義肢装具士試験の合格率は高めで80%~98%となっています。
受験者の人数が非常に少ない試験ですので難易度の判定は難しいですが、いずれにせよ養成所できちんと勉強しておけばそこまで試験に苦労することはないと言えます。
まとめ
以上が義肢装具士に関する大まかなまとめになります。
受験者数自体が非常に少ないため同時に義肢装具士自体の数が少ないですので、就職・転職にはさほど困ることもないと言えます。
モノ作りに興味がある方は一度考えてみてはいかがでしょうか。