DCプランナーとは、確定拠出年金など新しい年金制度について教育や情報提供ができる能力があることを証明する公的資格です。
DCプランナーの特徴
確定拠出年金などに関する専門的知識を持つことの証明になります。
前提知識として確定拠出年金とは何か
年金について深く考えたことがない方もいらっしゃると思いますので簡単に解説しておきます。
まず年金は公的年金と私的年金にわけられます。
公的年金は強制加入になる年金で、国民年金や厚生年金があげられます。
国民年金は原則日本に住む20歳以上の60歳未満の方すべてに加入義務があり、その上乗せとしてサラリーマンや公務員の方が加入する厚生年金があります。
そして私的年金は強制加入ではなく任意で加入する年金で、例としてあげられるのが確定拠出年金や確定給付企業年金、民間保険会社がが販売する個人年金などになります。
私的年金は公的年金の上乗せを保障するものです。老後のことを考えてこれらを利用して計画的に準備している方もいらっしゃいます。
確定給付企業年金とは、企業などが運営母体に支払った掛け金を運営母体が運用するもので受け取れる年金などは運用成果に左右される部分はあるものの比較的受け取れる額が安定していると言える年金です。
それに対して確定拠出年金とは企業や個人が一定額の掛け金を出し、自分で運用するものになり、運用の結果次第で受け取れる年金の額が変わって来る年金になります。
確定拠出年金により得られた運用益は非課税であり、また掛け金は全額所得控除の対象となるメリットもあります。
ここで紹介するDCプランナーと言う資格はDefined Contribution Planの略になり、私的年金のひとつである確定拠出年金プランの意味になり、いわば確定拠出年金のプロになります。
これから需要が高まる!?ダブルライセンスとしても◎
2012年3月末に適格年金制度が廃止されました。
適格年金制度とは授業主と従業員との間で結ばれた年金規約によって事業主が保険会社などと適確退職年金契約を結んで管理と運用を委託、従業員が退職した際に給付されると言うもので、一定の要件を満たすことで税制上の優遇措置が受けられると言うものでした。
これが廃止されたことにより企業は確定拠出年金などに移行しており、これからDCプランナーの需要が高まるのではないかと期待されています。
確定拠出年金は個人年金としても老後に夢を持つことができるものであり、中小企業や零細企業にとっても便利な制度ですので、自己責任型の確定拠出年金は今後国民の意識を大きく変える可能性があります。
現時点では独立したりすることは難しいDCプランナーですが将来的には役に立つかもしれません。
また同じく年金の国家資格である社会保険労務士や個人資産運用のプロフェッショナルであるFP(ファイナンシャルプランナー)との相性は非常に良いので、DCプランナーはこれらのダブルライセンスとして優秀な資格であると言えます。
税理士や中小企業診断士、銀行や証券会社の会社員、企業経営者とも相性がいいです。
勉強する過程でライフプランや投資に関する知識も学べるため、投資に興味がある人にとってもよいかもしれません。
DCプランナーになるには
試験に合格すればOKです。1級・2級・3級と存在しますが1級のみ2級合格者でなければ受験できません。2級・3級は誰でも受験できます。
1級・2級・3級について
DCプランナーは1級・2級・3級の3段階ありますが3級は少々特殊です。
DCプランナーは日本商工会議所と金融財政事情研究会(金財)が主催している検定試験ですが3級は金財が単独で実施しているもので、1級・2級にある資格登録制度が3級にはありません。(資格登録制度についてはのちの項目で解説します)
DCプランナー1級は最上級であり、受検資格は2級合格者であることになります。専門的な知識を有し、確定拠出年金などに関して適切な情報提供や投資教育ができる人材であることの証明になります。
DCプランナー2級は受験資格はありません。一般的な知識を有し、確定拠出年金などに関する適切な情報提供ができる証明になります。
DCプランナー3級にも受験資格はなく確定拠出年金などの知識や仕組みを理解している証明になります。
DCプランナー試験の合格率
3級はあまり情報がないので省略しますが、2級に関しては合格率は40~50%前後となっているためそこまで難易度の高い試験ではないと言えるでしょう。
1級に関しては非常にバラつきがあります。
平成30年は22.5%、平成29年は24.6%、平成28年は9.3%、平成27年は43.3%、平成26年は32.4%と平均が取りづらいです。
1級の合格率は30%程度と考えれば難易度は普通より少し上と言ったものになると言えます。
1級・2級の試験の内容
1級も2級も4分野にわかれています。
A分野:わが国の年金制度・退職給付制度
B分野:確定拠出年金制度
C分野:投資に関する知識
D分野:ライフプランニングとリタイアメントプランニング
資格登録制度と更新について
DCプランナー試験の1級・2級に合格すると日本商工会議所に登録することができます。
会員企業とパイプができる可能性もあるかもしれませんので魅力のひとつとも言えるでしょう。
ただ当然登録するにはお金がかかりますし、さらに資格登録には2年と言う有効期限があるため、2年ごとに更新が必要となります。
そのたびに再度更新料と言う形でお金がかかってきますし、更新の際に講習などを修了する必要もあります。
資格取得を考える前にこのあたりは頭に入れておきたいです。
まとめ
以上がDCプランナーについてのまとめになります。
すでに社労士やFP、税理士などを取得している方のダブルライセンスには非常に有効な資格なのでそう言った方は是非考えておきたい資格です。
またそれだけでなく投資について学びたいと考えている方にとっても有効な資格だと言えるでしょう。