コンサルタントとは特定の分野において専門の知識と経験を持ち、顧客の相談に応じたりアドバイスをしたりする仕事のことになります。
コンサルティングはアメリカ生まれのビジネスでアメリカが最大のマーケットになっており、その市場規模は10兆円と言われています。これは全世界のおよそ半分の規模とのことです。
一方日本ではもともと助言を求めると言う風土がなかったこともあり、その市場規模は3000億円程度と言われています。
アメリカに比べると規模はかなり小さいですがコンサルティングビジネスはじわじわと浸透してきており、拡大の余地は十分に残されていると言えます。
コンサルタントと言えば経営コンサルタントのことをイメージされがちですが、ITコンサルタントや不動産コンサルタントなど、クライアントに解決策を提示して発展を助ける技術コンサルタントは複数の種類があります。
この記事ではコンサルタントになるために、あれば有利な資格を紹介していきます。
経営コンサルタントの資格
コンサルタントと聞いてイメージするのはやはり経営コンサルタントです。まずは経営コンサルタントとして活躍する際に役立つ資格を紹介します。
中小企業診断士
経営コンサルタントに関する唯一の国家資格が中小企業診断士になり、近年人気が急上昇している資格になります。次の項目で紹介する「MBA」の中小企業版と考えて差し支えないでしょう。
試験では経済学・経済政策、財務・会計、経営法務、経営情報システムが問われ、この資格を持っていると言うことはこれらを熟知している証明になります。
独立はもちろん就職にも非常に強い資格です。コンサルティング業界への就職はもちろん、多くの企業にてコンサルタントスキルは必要とされており、またこの資格は非常に難しい試験ですので評価は高く、むしろ役に立たない職業はほぼないと言われています。

中小企業診断士 試験の難易度は高いが火力抜群な役立つ資格
中小企業診断士とはコンサルタント系の人気資格。汎用性が高く使える資格ですよ。試験の難易度、合格率、科目免除など重要情報は要確認!MBA
MBAは資格ではなく経営大学院修了者に授与される経営管理の専門学位ですが多くの一流ビジネスパーソンが取得します。
会計学、経済学、財務・財政、人材資源管理、情報マネジメント、マーケティング、組織行動、定量分析などを、主に大企業の経営全般について広く浅く実業家の立場から学びます。
ただしMBAは修了した大学院によって評価が異なり、日本では国際認証を受けている大学院は現在2校しか存在しないため「日本でMBAを取得しても意味がない」と言う意見がよく見られます。
本格的に取得するのであればアメリカへ行く必要があり、その際当然英語力が必要となるため、TOEFLやGMATを攻略する必要があります。

MBAとは何?今さら聞けない基本情報から世界事情まで解説!
MBAってよく聞くけど実際何なのかわからない、でも今更恥ずかしくて聞けない…と言う方大歓迎!日本と世界の違いまでわかりやすく解説!社会保険労務士
社会保険労務士は企業の「人材」に関する専門家です。
社会保険の手続き、賃金台帳や就業規則などの作成、雇用保険を財源とする国から企業に出るさまざまな助成金の申請などを行うことができます。
経営コンサルタントが社会保険労務士の資格を持たずに就業規則を請け負ってしまったり、助成金コンサルタント等を行ってしまえば社労士法違反になってしまうため、社会保険労務士の資格を持っていることで仕事の幅は広がるでしょう。

社会保険労務士とは?細かい受験資格や合格率は要確認です!
社会保険労務士(社労士)の仕事内容がイマイチわからない人は要確認!厳しい受験資格ですがそれを満たせる国家資格が80個ほどありますよ税理士
税理士も経営コンサルタントが持っていれば火力UPに期待できる資格になっています。
税務に関しての申告を代行、書類作成、相談が税理士の独占業務になるのですが税理士の業務独占は無料であっても税務相談等を無資格者は行うことができない「無償独占」と言う強力な業務独占資格になっています。
経営コンサルタントが税理士の資格を持っていれば税務や会計に関するアドバイスもできますし、逆に税理士をメインにしてもコンサルティングスキルがあると非常に便利です。
税理士は歴史の古い資格なので古参の事務所が大手企業を完全に握ってしまっているため、新規参入は決して楽ではありません。
顧客が中小企業や零細企業になってきますし、これら企業は経営上発生するアドバイスを求めることもあるため、経営にまで踏み込んだコンサルティング技術があればかなり差別化が図れます。

税理士とはどんな資格か解説!年収や会計士との深い関係も
税理士とはどんな仕事をするのか?税理士になるには?平均年収は?公認会計士は無試験でなれる?気になる情報をたくさん集めてまとめたよ技術コンサルタント全般系の資格
コンサルタントは大きくわけると経営コンサルタントと技術コンサルタントにわかれます。技術コンサルタントはIT・不動産・建設など複数分野がありますが、ここではまず全般としていくつか紹介させていただきます。
技術士
科学技術応用面での最高権威の資格になっており、科学技術に関する技術コンサルタントの資格になっています。
機械部門、航空・宇宙部門、電気電子部門、化学部門…などと言った21の部門にわかれており、それぞれの専門家になっています。
APECエンジニア、IPEA国際エンジニアとして活躍することも可能です。

技術士とは?技術士補とは?試験内容や受験資格、年収まとめ
技術士試験の一次試験に合格すると技術士補、二次試験に合格すると技術士に登録できます。一次試験は学歴次第で実質免除ありですよ。労働安全コンサルタント
労働安全コンサルタントは労働者の作業時における安全に関するコンサルタント業務を行うことが仕事になります。
常時50人以上従業員を雇っている一定の業種は安全管理者を選任しなければならないのですが、安全管理者はその事業場の専属のものであるのに対し、労働安全コンサルタントはどこの職場でも安全に関するコンサルタント業務を行うことができます。
労働安全コンサルタントの資格だけでは独立するのに少し弱い部分がありますが、仕事内容としては大雑把に言えば爆発や感電などの事故を防ぐためにどうすればよいかと言ったアドバイスを行うコンサルタントですので、先ほど紹介した技術士と相性が良い資格と言え、技術コンサルタントとして差をつけることができるかもしれません。

労働安全コンサルタント 他資格併用で定年後独立する方も!
労働安全コンサルタントは労働者の安全に関する助言・指導を行います。安全管理者を長く務めた方が取得して定年後に独立することも可。ITコンサルタント系の資格
技術コンサルタントのひとつとしてITコンサルタントと言う職業があります。日本はITについて弱い経営者も多いですのでいずれ需要はかなり高くなるのではと推測されています。
システム監査技術者試験
IT系で唯一の国家資格である情報処理技術者試験の1つであるシステム監査技術者試験はシステム障害や情報セキュリティ事故などを可能な限り防ぐために第3者の視点から情報システムを点検・評価し、アドバイスを行うことが仕事になります。
システム監査技術者試験の合格者はIT業界のシステム監査を担当する部署に就職したり、ITコンサルタントとしてコンサルティング会社に就職して活躍している方もいます。

システム監査技術者試験とはどんな資格か解説するよ!
情報システムを第3者の視点からチェックすることがシステム監査技術者の仕事です。合格者の平均年齢が高く、年収が高いことにも注目!ITストラテジスト試験
IT系で唯一の国家資格である情報処理技術者試験の1つであるITストラテジストはITコンサルタントを目指す方にとっては必見の資格です。
ストラテジスト(Strategist)は「戦略家」と言う意味になり、ITストラテジストはIT業界における「ストラテジスト」と言うことになり、役割としては「ITコンサルタント」としての技術も持つITエンジニアであることを証明する資格になります。
2015年にシスコシステムズのチェンバース氏が「10年後までに今ある企業の4割は姿を消す」と発言し、これを受けて経済産業省の石川正樹審議官はITを戦略的に活用できない企業はその4割にまわってしまうと発言しています。
日本は経営者のITに対する意識が非常に低い国なのでかなり危なっかしいのですが、ITストラテジスト試験はその「戦略」を焦点にあてたIT系資格であり、需要は今後どんどん高くなっていく可能性があります。

ITストラテジスト試験 ITコンサルタントを目指す方は必見!
ITストラテジスト試験は高度情報処理技術者に分類される就職や転職に強い資格!ITコンサルタントを目指す方は必見!将来性のある資格です不動産・建築コンサルタント系の資格
不動産や建築系に関する技術コンサルタントの資格を紹介します。
マンション管理士
一見マンションの管理人が取得するような資格に見える名称ですが、マンション管理士はマンション管理に関するコンサルタント系の国家資格になります。
現時点では比較的新しい資格であると言うこともあって有資格者はかなり少なく、受験者自体も減少傾向にあります。
しかし現在マンションに住む人はかなり多く、また現在進行形でマンションは増え続けていますが、同時に老朽化したマンションも増え続けており、さらにその大規模修繕はあまり進んでいません。いずれは大きな社会問題になるでしょう。
その際に活躍できるのがマンション管理のコンサルタントであるマンション管理士ですので現時点では使えるかどうかわからない資格ではありますが、将来性は高い資格と言えます。

マンション管理士(マン管)合格率は低いが将来性は高いぞ!
マンション管理士は合格率の低い難関資格なのに名称独占だからと避けていませんか?何歳になっても活躍できる将来性の高い資格ですよ。公認 不動産コンサルティングマスター
民間資格ですが国土交通大臣認定資格になっている準公的資格と言える資格で、宅地建物取引士・不動産鑑定士・一級建築士の有資格者しか受験することのできないプロ資格です。
不動産の利用、取得、処分、監理、事業経営、投資等についての専門的な知識と技能を活用し企画や調整、提案する能力を証明するため、不動産コンサルタントとして活躍したい方は取得しておくと信用がアップするかもしれません。

公認 不動産コンサルティングマスターはプロ向けの強い資格
宅建士・不動産鑑定士・一級建築士しか受験できず、しかも登録に実務経験が5年以上必要になるため十分な知識と経験をアピールできます!建築設備士
建物の設計の段階でエアコン、換気扇、水道、証明などの建築設備について建築士にアドバイスする建設コンサルタントの資格になります。
建築会社や建築設備メーカー、メンテナンス会社などに就職して活躍することができる資格で、年収も500万円~800万円と比較的高めです。大手ゼネコンでは1000万円以上の方もいます。
また通常では専門の学校を卒業してはじめて受験資格が得られる建築士国家試験ですが、建築設備士の資格を持っていることでその受験資格を満たすことが可能なこともポイントのひとつです。
二級建築士・木造建築士試験は実務経験なしで即受験することができ、また一級建築士も4年以上の実務経験があれば受験資格を満たすことができます。

建築設備士とはどんな資格か解説!難易度,合格率,将来性etc
建築設備士はエアコンや換気扇、水道、照明などに関して建築士に対してアドバイスすると言う建設コンサルタントとして活躍できる資格ですその他コンサルタント系の資格
特にジャンルが限定されないコンサルタント関連の資格を紹介します。
労働衛生コンサルタント
労働衛生コンサルタントは事業場の衛生に関するコンサルタント業務を行います。
常時50人以上従業員を雇っている事業場は衛生管理者を選任しなければならないのですが、その衛生管理者は衛生管理者免許・医師・歯科医師・労働衛生コンサルタントから選任されます。
労働衛生コンサルタントのみで独立するには少々厳しいところがあるため労働安全コンサルタントなどとの兼用が望ましいとされています。
また健康状態に関することにかかわる仕事ですので医療系の資格と非常に相性がよく、主に産業医と兼業している労働衛生コンサルタントが多いのですが、薬剤師や保健師とも相性が良い資格です。

労働衛生コンサルタントとはどんな資格か解説!独立向きです
労働衛生コンサルタントは事業場の衛生に関する改善指導や診断を行うことが仕事です。就職するための資格と言うよりは独立向きの資格ですキャリアコンサルティング技能士
キャリアコンサルティング技能士は職業選択に悩む人やスキルアップをしたい人の相談に応じてアドバイスをしたり支援をしたり指導したり…と言った職業カウンセラーのような仕事をする方が取得する資格です。
有資格者は大学の就職サポート業務やハローワークなどに就職して活躍している方が多いです。

キャリアコンサルティング技能士(キャリコン)とは?資格解説
近年注目されているキャリアコンサルティング技能士(キャリコン)とはどんな資格か解説!仕事内容や主な就職先、試験の難易度など総まとめ簿記
簿記は企業の経理実務のために考案された手法のひとつです。そしていきなり出オチですが簿記を持っているからと言ってコンサルタントに有利と言うことはありません。
ですがここまでに紹介したコンサルタントとして役立つ資格の中にはそもそも試験において簿記絡みの問題が出されることが多いのです。
中小企業診断士試験も簿記に関する問題が出題されますし、情報処理技術者試験にもなぜかわからないですが簿記に関する問題も出ます。マンション管理士も会計系の問題が出題されます。
また同じ会計系の資格である税理士試験においても簿記は必須科目になっています。ちなみに日商簿記1級を取得すれば税理士試験の受験資格を満たすことが可能です。
と、さまざまなところで役に立つ可能性がありますのでコンサルタントを目指すにあたって簿記を勉強しておいて損することはあまりないと言えるでしょう。何からはじめればいいかわからないと悩んでいる方でコンサルタントを視野に入れている方はぜひ簿記を勉強してみてはいかがでしょうか。

簿記とは何かわかりやすく解説!日商簿記1級2級3級の価値
簿記検定の中で最もメジャーなのは日商簿記。1級2級3級とあり最難関の1級は価値が高いぞ!初心者にも簿記とは何かわかりやすく説明!まとめ
以上がコンサルタント系資格のまとめになります。
コンサルタント業務に役立つ資格のほとんどが名称独占資格になりますので、その資格を持っていたからと言ってものすごく役立つわけではなく、あくまで称号です。
ですがコンサルタントとして活躍するにあたって信用はとても大切ですし、資格はそのひとつとして力になってくれるはずです。
コンサルタントに関する資格を更新した際、こちらの記事にも追加していきますのでぜひこの記事をシェアしてください。