金融窓口サービス技能士とは技能検定の一種で、銀行など金融機関での事務処理、預金や証券の取り扱い、金融商品の販売などの窓口担当者の業務(テラー業務)が問われる金融窓口サービス技能検定に合格した者に与えられる称号で、名称独占の国家資格になります。
金融窓口サービス技能士の特徴
英語では銀行などの窓口担当者を「Teller」と言い、金融窓口サービス技能検定はテラーとして勤務している人・勤務したい人を対象とした試験になっています。
銀行に就職したい方は要注目の資格!
金融窓口サービス技能士は銀行などでの窓口業務、事務処理、金融商品の販売などの技量を一定の基準で国が公証するものです。1級・2級・3級と存在し、1級が最上位になります。
1級・2級は実務経験や下位級に合格している必要がありますが、3級は誰でも受験することができるので銀行に就職したいと考えている方が3級金融窓口サービス技能士を取得することは非常に有利になると言えます。
銀行へ就職することを考えて資格の取得を考えている場合、ファイナンシャルプランナー(FP)の方が重視される傾向にあるためこちらを取得する方が有利かもしれませんが、この金融窓口サービス技能士も持っていればかなり有利になると言えます。
他資格への影響
1級・2級金融窓口サービス技能士であれば社会保険労務士試験の受験資格を満たします。
金融窓口サービス技能士になるには
金融窓口サービス技能検定に合格すればOKです。3級には受験資格は特にありませんが、1級・2級は受験資格があります。
1級・2級の受験資格
2級金融窓口サービス技能検定の受験資格は以下です。
- 金融機関等での窓口サービス業務等の2年以上の実務経験を有する者
- 3級金融窓口サービス技能士
- 厚生労働省認定テラー技能審査3級合格者
1級金融窓口サービス技能検定の受験資格は以下です。
- 金融機関等での窓口サービス業務等の4年以上の実務経験を有する者
- 2級金融窓口サービス技能士
- 厚生労働省認定テラー技能審査2級合格者
ちなみに3級金融窓口サービス技能検定の受験資格は「金融機関関連業務に従事している者または従事しようとする者」となっています。
合格率は?3級は比較的高いです
金融窓口サービス技能検定は「学科試験」と「実技試験」にわかれています。
2016年1月までは各試験、テラー業務と金融商品コンサルティング業務にわかれていたのですが2016年5月の試験からテラー業務と金融商品コンサルティング業務にわかれるのは3級の実技試験のみになっています。
そのため合格率の平均が取りづらいのですが、まず3級の学科試験の合格率は50%前後となっており、実技試験のテラー業務は50%~70%、金融商品コンサルティング業務は80%前後の合格率になっています。
2級の学科試験は20%~30%の合格率、実技試験は50%前後の合格率になっています。ただし2017年1月の試験では実技試験合格率が20.42%とガクっと下がっています。
1級の学科試験は10%~15%となっており、実技試験は15.12%のときもあれば55.13%のときもあります。
金融窓口サービス技能検定はあらかじめ決められた合格点を得点できれば合格となるタイプの資格試験ですのでその年の難易度によって大きく変わるのでしょう。
試験の内容と一部免除
1級・2級・3級ともに「学科試験」と「実技試験」の2つに合格する必要があります。
3級の実技試験は「テラー業務」と「金融商品コンサルティング業務」の2つの科目にわけて実施されています。
学科試験・実技試験のいずれかに合格すると一部合格となり、学科のみに合格した場合は学科が、実技のみに合格した場合は実技が、翌々年度末まで免除となります。2018年度に一部合格した場合は2021年3月31日まで一部免除が有効となります。
学科試験は1級・2級・3級ともに「顧客対応・コンプライアンス等」「関連法令・規制」「金融経済知識・投資理論」「金融商品知識」「相談業務等に係る知識」が問われます。
マークシート形式の試験になり、100点満点中70点得点できれば合格となります。
実技試験は、1級は記述式の筆記試験で科目は「顧客対応・情報収集」「商品知識・説明技能」「コンプライアンス」「相談業務・提案技能」「顧客フォロー」となり、100点満点中70点得点できれば合格となります。
2級の実技試験はマークシート形式の筆記試験となり、科目は1級と同じです。合格点についても同じく100点満点中70点得点で合格となります。
3級の実技試験もマークシート形式ですが「テラー業務」と「金融商品コンサルティング業務」にわかれています。
テラー業務の科目は「顧客対応」「事務手続・実務知識」「コンプライアンス」「商品知識」「情報収集、提案・セールス」で、金融商品コンサルティング業務の科目は「投資型金融商品知識」「コンプライアンス」「説明・提案技能」「苦情対応力」です。
どちらも100点満点中70点得点で合格となります。
まとめ
以上が金融窓口サービス技能士に関するまとめになります。
金融業界への就職を目指すのであればファイナンシャルプランナー(FP)とともにぜひ注目していただきたい資格のひとつです。
少しでも参考になれば幸いです。