土地区画整理士とは、土地区画整理事業の円滑な施行のための専門知識の維持向上を目的とする、土地区画整理士技術検定に合格した者に与えられる名称独占の国家資格です。
土地区画整理士の特徴
土地開発や環境整備の場でのキャリアアップに有効です。
土地区画整理事業とは
例えば空から見ればグニャグニャしたいびつな形の土地連なり合っている地域があったとします。土地がグニャグニャしているため道もグニャグニャしています。
そこでこの地域に住んでいる方の土地をみんな正方形にします。道もまっすぐになり住み心地もよくなるでしょう。
正方形にする過程で余分になってしまった土地をみんなで出し合い、その土地で公園を作ります。さらに住み心地はよくなります。
結果としてその地域全体の土地の価額もあがります。
非常に大ざっぱな説明ですがこのように地域のみんなで協力して道をきれいにしたり土地を出し合って公共施設を作るなどして住みよいまちを作りましょうと言うのが土地区画整理になります。
このような土地区画整理事業の円滑な施行が進められるように広く当該事業に関する専門的知識の維持向上を図ることを目的としているのが土地区画整理士になります。
若干似たようなことを土地改良換地士の記事でも紹介しましたが、土地改良換地士は農用地集団化、要するに田畑においての土地改良事業を行う資格になり、こちらは土地区画整理士と違って業務独占資格になります。
土地区画整理士が活躍する業界
土地区画整理士の資格自体がかなりマイナーな資格ですので活躍できる場所も限られてしまいますが、やはり建設・不動産関連の企業が主になります。
土地区画整理業者、建設会社、不動産会社、建設コンサルタント会社で活躍していらっしゃいます。
他資格への影響
土地区画整理士技術検定に合格した者は社会保険労務士試験の受験資格を満たします。
土地区画整理士になるには
土地区画整理士技術検定に合格すればOKです。受験資格があります。
受験資格について
土地区画整理士技術検定は学科試験と実地試験の2つあり、基本的には両方合格してはじめて合格となります。
まず学科試験の受験資格ですが必ず実務経験が必要になります。
- 指定学科の大卒…1年以上
- 指定学科以外の大卒…3年以上
- 指定学科の短大卒・5年制高等専門学校卒…2年以上
- 指定学科以外の短大卒・5年制高等専門学校卒…4年以上
- 指定学科の高卒…3年以上
- 指定学科以外の高卒…5年以上
- 不動産鑑定士・不動産鑑定士補…2年以上
- その他…8年以上
指定学科とは土木(工学)、農業土木、鉱山土木、森林土木、砂防、治山、緑地、造園、都市工学、衛生工学、交通工学、建築学、法律学、経済学、商学、経営学、地理学です。
実務経験の内容は土地区画整理法で定めるところに従って行われる事業の施行もしくは推進に関係するものの合計年数になります。
なお不動産鑑定士・不動産鑑定士補の方が指定学科の大卒だった場合は2年以上でなく1年以上の実務経験でOKです。
次に実地試験の受験資格を紹介します。
- 当年度の学科試験合格者
- 前年度の学科試験合格者
- 技術士第二次試験のうち建設部門(選択科目「都市及び地方計画」)の合格者で土地区画整理事業に関する1年以上の実務経験がある者
合格率は50%前後、難易度としては普通
土地区画整理士技術検定の合格率は学科試験も実地試験も大体50%前後と考えて差し支えないと思います。
50%前後だとそれほど難易度は高くないように見えますが、ある程度実務経験がなければ受験できない試験の中での50%ですので簡単と言うわけではないですので、難易度としては普通くらいと言う判断が妥当と思われます。
まとめ
以上が土地区画整理士に関する大まかなまとめになります。
土地区画整理事業に携わっている方や建設コンサルタント会社に勤めている方でしたら取得することでキャリアアップになりますね。
少しでも参考になれば幸いです。