IFRS検定試験とは、国際財務報告基準IFRSの知識の習熟度を測る国際資格である検定試験です。
経理のキャリアアップや転職に抜群に強くなると言われる資格ですが、そもそもどんな資格なのか、なぜ就職や転職に強いのか気になりますよね。
この記事ではそんなIFRS検定試験についてわかりやすく解説し、資格取得方法や難易度なども紹介していきますのでぜひ最後までご覧になってくださいね。
IFRS検定の特徴
日本企業がグローバル化に対応するための「軸」となる国際的な会計基準です。知っていて損することはありません。
IFRSとは?IFRS検定試験とは?
IFRSとは国際的な会計基準です。
International Financial Reporting Standardsの略で「イファース」または「アイファース」と読まれます。
グローバル化に対応するため世界共通の会計基準として100ヵ国以上で採用されており、日本でも採用が進んできているものです。
今回紹介する資格「IFRS検定試験」はこのIFRSの習熟度を測る資格であり、世界で通用する国際資格です。
かつては英語のみの実施となっていましたが2009年12月より日本語試験がはじまったため、英語がわからなくても日本語で挑戦できる資格になりました。ちなみに英語以外でのIFRS検定実施は世界初だったそうですよ。
キャリアアップや転職に強い!需要も上昇傾向
日本企業は今後グローバル化しなければ生き残れないと口を酸っぱくするほど言われて久しいですが全くもってグローバル化が進んでいるとは言える状況ではありません。
世界共通の会計基準であるIFRSはグローバル化の「軸」であり、IFRSを採用する企業が増えてきていることからも今後需要が高くなる可能性は十分考えられます。
現時点でも経理のキャリアアップには非常に有効であり、求人も多いですので転職にも強い資格です。
簿記を取得している方や経理として活躍している方には難易度もそこまで高くないですので特におすすめの資格と言えます。
IFRS検定試験の資格を取得するには
試験に合格すればOKです。受験資格は特になく誰でも受験できます。
試験の合格率から見る難易度
4,5年前までは25%~30%台の合格率のときもあったIFRS検定試験ですがここ最近は60%前後の合格率になっています。
そもそも宅建などのように上位〇〇%が合格と言うタイプの試験ではなく、IFRS検定試験は60%以上得点できれば合格と言うタイプの試験ですのできちんと理解していれば合格できるタイプの資格になっていますので合格率はあまり気にしなくてよいかもしれません。
難易度としては中程度と言えるでしょう。
ただし次の項目で紹介しますが非常に試験範囲が広い資格になっていますので人によっては独学での取得は難しくなるかもしれません。
効率よく資格を取得したければスクールや通信講座などでポイントを絞って勉強した方が良いでしょう。
試験について
試験は2時間60問マークシート形式で出題範囲は以下のように非常に幅広いです。
出題範囲
財務諸表の作成及び表示に関するフレームワーク
IAS1:財務諸表の表示
IAS2:棚卸資産
IAS7:キャッシュフロー計算書
IAS8:会計方針、会計上の見積りの変更及び誤謬
IAS10:後発事象
IAS11:工事契約
IAS12:法人所得税
IAS16:有形固定資産
IAS17:リース
IAS18:収益
IAS19:従業員給付
IAS20:政府補助金の会計処理及び政府援助の開示
IAS21:外国為替レート変動の影響
IAS23:借入費用
IAS24:関連当事者についての開示
IAS26:退職給付制度の会計及び報告
IAS27:個別財務諸表
IAS28:関連会社及び共同支配企業に対する投資
IAS29:超インフレ経済下における財務報告
IAS32:金融商品:表示
IAS33:1株当たり利益
IAS34:期中財務報告
IAS36:資産の減損
IAS37:引当金、偶発負債及び偶発資産
IAS38:無形資産
IAS40:投資不動産
IAS41:農業
IFRS1:国際財務報告基準の初度適用
IFRS2:株式に基づく報酬
IFRS3:企業結合
IFRS4:保険契約
IFRS5:売却目的で保有する非流動資産及び廃止事業
IFRS6:鉱物資源の探査及び評価
IFRS7:金融商品:開示
IFRS8:事業セグメント
IFRS9:金融商品
IFRS10:連結財務諸表
IFRS11:共同支配の取決め
IFRS12:他の企業への関与の開示
IFRS13:公正価値測定
先ほども紹介しましたように、60%以上得点できれば合格となります。
日程についてですが日本語試験は2月・6月・10月と年3回行われています。
最後に値段についてですが国際資格あるあると言いますか…なかなか高額ですので人によっては少しネックになってしまうかもしれません。
受験料は基本的に46,440円、早期割引として先着30名のみ39,960円となっています(2018年10月17日現在)。
まとめ
以上がIFRS検定試験に関する大まかなまとめになります。
グローバル化しなければ生き残れないと言われながら特に大きくグローバル化が進んでいるわけでなかった日本企業ですが、そんな中でもグローバル化に対応するためにIFRS採用は着実に進んできています。
現在でも比較的求人が多く、また将来需要が高くなる可能性も秘めており、かつビジネスパーソンとして知っていて損する知識ではありませんので少しでも興味を持った方は挑戦してみてもよいのではないかと思われます。