フォークリフトを運転するためのフォークリフト免許とは「フォークリフト技能講習修了証」のことを指し、この技能講習を修了したフォークリフト運転技能講習修了者は業務独占の国家資格になります。
最大荷重1トン以上のフォークリフトを運転するには上記のフォークリフト運転技能講習を修了する必要がありますが、1トン未満のフォークリフトを運転するには特別教育を受講することで運転することができます。
この記事ではフォークリフト免許の将来性や取得方法、費用の目安や費用を抑える方法などを徹底解説していきます。
フォークリフト免許の特徴
「免許」と一般的に呼ばれますが厳密には「資格」ですのでフォークリフト免許だけでは公道を走ることはできず、公道を走るには大型特殊免許・小型特殊免許が必要になります(その場合でも荷物を積んでの走行はできません)。
倉庫業・運送業などで需要は安定しています
画像のようなフォークリフトは荷物の積み下ろしや運搬に使われている荷役自動車で、荷物を爪で下から持ち上げて運搬するものです。このフォークリフトを使用する業界はたくさんあります。
運送業・製造業での積み下ろし、倉庫業や卸売市場での運搬、またトラックドライバーがフォークリフトを使用して自分で積み下ろしをすることもあります。
トラックドライバーは自分で荷物を積み下ろしするときに使用するのはもちろん、例えば免停になってしまいドライバーとして仕事ができない間、倉庫がある会社であればその間倉庫で仕事をする人も多く、そのときフォークリフトや玉掛けなどを持っていれば免停の間も仕事をすることができます。
私も若いころに物流系や倉庫、製造工場でのアルバイトを何件かしたことがありますが、どこにいっても必ずと言っていいほどフォークリフトが使われていましたし、需要は安定していると言われているのは過言ではないと思います。運転する方は男性の方が目立ちますがもちろん女性の運転者もいました。
ただフォークリフト免許を持っている方を求める求人も比較的多いですがこの場合、経験があることが前提条件になっていることがほとんどです。しかし現在、運送業や製造業は人手不足のところも多いですので経験がなくても有利になる可能性はあります。
どこかで経験を積むことができればリスクヘッジとしての資格にもなります。
比較的簡単に取得できる!
フォークリフト免許を取得するには最大荷重が1トン未満のものを操縦するときは特別教育、最大荷重1トン以上のものを操縦するときは技能講習を受講する必要があります。
フォークリフト免許を考えていらっしゃる方のほとんどは仕事で使用するためのものだと思いますので、基本的には技能講習を受講するものと思っておいてよいと思います。
フォークリフト免許はこの技能講習を受け、最後の修了試験に合格することで有資格者となりますが、合格率は90%以上です!ほぼ100%との話もあります。
需要が安定している資格を比較的簡単に取得できるのはかなりうれしいですね。
フォークリフト技能講習について
年齢が18歳以上であれば基本的に誰でも受講できます。
技能講習の内容
技能講習は学科と実技とにわかれており、基本的には学科11時間、実技24時間になり、5日間かけて行われます。多くの方の場合、費用は4万円~5万円になります。
学科の講習内容は以下です。
- フォークリフトの走行に関する装置の構造および取扱の方法に関する知識(4時間)
- フォークリフトの荷役に関する装置の構造および取扱の方法に関する知識(4時間)
- フォークリフトの運転に必要な力学に関する知識(2時間)
- 関係法令(1時間)
実技の講習内容は以下です。
- フォークリフトの走行の操作(20時間)
- フォークリフトの荷役の操作(4時間)
学科・実技ともに修了試験があります。
すでにお持ちの免許・資格によっては受講日数を短くし、費用を安くすることもできますので次の項目で確認してください。
科目免除と取得にかかる費用
なにも資格がなければ35時間を5日間かけて行われ、費用は4,5万円かかるフォークリフト免許ですが、普通免許などをお持ちの方であれば一部が免除されるため時間を少なくなりますし、既に1トン未満のフォークリフトを運転した経験があれば費用を安く抑えることができます。
まず大型自動車免許、中型自動車免許、準中型自動車免許、普通自動車免許、大型特殊自動車免許(カタピラのみ)を持っていれば、学科の「フォークリフトの走行に関する装置の構造および取扱の方法に関する知識(4時間)」が免除され、計31時間となります。
普通免許を持っている方は多いですので多くの方がこれに当てはまるのではないでしょうか。
またすでに「特別教育」を修了し、1トン未満のフォークリフトを運転した経験がある方も免除があります。
大型自動車免許、中型自動車免許、準中型自動車免許、普通自動車免許、大型特殊自動車免許(カタピラのみ)をすでに持っており、3か月以上フォークリフトの運転の業務に従事した経験があれば、学科の「フォークリフトの走行に関する装置の構造および取扱の方法に関する知識(4時間)」と実技の「フォークリフトの走行の操作(20時間)」が免除され、計11時間となります。
またこれら自動車免許を持っていなくても1トン未満のフォークリフトを6か月以上運転した経験があれば、実技の「フォークリフトの走行の操作(20時間)」が免除され、計15時間となります。
また大型特殊自動車免許(カタピラを除く)を持っている場合は、学科の「フォークリフトの走行に関する装置の構造および取扱の方法に関する知識(4時間)」と実技の「フォークリフトの走行の操作(20時間)」が免除され、計11時間となります。
5日間35時間、または4日間31時間かけて行われるフォークリフト技能講習を受ける場合は費用は4,5万円ほどかかりますが、フォークリフト運転経験がある方が科目免除を受けると2万円~3万円に抑えることができます。
ハローワークの助成金制度で費用対策!
ハローワークにて「教育訓練給付制度」と助成金制度があるのですが、フォークリフト技能講習はその対象になっています。
どんな制度かというとフォークリフト技能講習を受けるにあたってかかったお金の20%をハローワークが負担してくれると言うものです。5万円かかった場合、あとから1万円戻って来ると言うことです。
ただし条件があり、現在在職中の方の場合は受講開始日において雇用保険に通算3年以上加入している必要があります。教育訓練給付制度を受けるのが初回の場合は雇用保険に加入していた期間は1年以上でOKです。
現在離職中の方は受講開始日において離職日の翌日から受講開始日までが1年以内+雇用保険に通算3年以上加入していれば対象になります。こちらも同じく教育訓練給付制度を受けるのが初回の場合は雇用保険に加入していた期間は1年以上でOKです。
まずお近くのハローワークに問い合わせて受給資格があるのか確認し、フォークリフト免許取得後、1か月以内に必要書類を提出することで、後にハローワークから20%分が支給されると言う仕組みになっています。
雇用の安定と再就職の促進を図る目的の制度ですので対象の方は積極的に費用対策として利用したいところです。
まとめ
以上がフォークリフト免許(フォークリフト技能講習)についてのまとめになります。
比較的簡単に取得でき、安定した需要があり、費用や取得までの時間も手持ちの資格や免許で大きく節約できますし、さらにはハローワークの助成金制度の対象にもなっていると言うなかなか有能な資格です。
私が昔アルバイトをしていたとき70歳くらいのおじいさんがフォークリフトなどを取得しているのでとりあえずどこかで働けると言っていたのを思い出しましたが、そうするとフォークリフト免許は人によっては一生モノの資格になる可能性もありますね。
少しでも参考になれば幸いです。