玉掛作業者とは、クレーンなどに荷を吊るしたり外したりする作業を行うことができる業務独占の国家資格です。
玉掛け免許と呼ばれることもありますが厳密には資格になります。
玉掛作業者の特徴
クレーンがある現場では必須の資格で安定した需要があるものですが、ほぼ講習だけで取得できる簡単な資格です。
需要は安定!必要となる場所は意外に多い
玉掛けとはクレーンなどに荷を吊るしたり外したりする作業のことです。
そして制限荷重1トン以上の揚荷装置(あげにそうち)または吊り上げ荷重1トン以上のクレーン、移動式クレーン、デリックの玉掛けの業務を行うには玉掛作業者の資格がなければならないと定められています。
建設業界などクレーンを扱う現場では必ず必要になりますし、他にも製造業や倉庫業など必要となる場所は多く、玉掛作業者の需要は比較的安定していると言えます。
また一見関係なさそうですが、しばしばトラックドライバーにも必須と言われる資格でもあります。
配送先が建設業界などであったときは荷物の積み下ろしにクレーンが使われることが多いためほとんど必須の資格になっています。
簡単資格!ほぼ講習だけでOK
需要が高い資格は難易度が高かったりすることもあります。
しかし玉掛作業者の資格を取得するのは決して難しいものではなく、講習を受けて最後に修了試験に合格すれば取得できる比較的簡単と言える資格です。
勉強嫌いな方にとっては修了試験と言うと不安に感じられる方もいらっしゃるかもしれませんが修了試験の合格率は90%以上(ほぼ100%)と言われているので深く考えなくてもよいでしょう。
玉掛けと同様に倉庫業などで需要が安定しているフォークリフト免許と同じような感じですね。
他資格への影響
玉掛け技能講習を修了した者はクレーン・デリック運転士と移動式クレーン運転士の実技試験の「運転のための合図」の科目が免除対象になります。
クレーン・デリック運転士は「限定なし」「クレーン限定」「床上運転式クレーン限定」の3つの区分がありますが、どの試験においても免除対象です。
玉掛作業者になるには
玉掛け技能講習を受講し修了試験に合格すれば取得できます。受講資格は特にありませんが就業できるのは18歳以上になります。
玉掛け技能講習の内容
講習は「学科」と「実技」に分かれています。
学科の内容は以下です。
- クレーン等に関する知識(1時間)
- クレーン等の玉掛けに必要な力学に関する知識(3時間)
- クレーン等の玉掛けの方法(7時間)
- 関係法令(1時間)
実技の内容は以下です。
- クレーン等の玉掛け(6時間)
- クレーン等の運転のための合図(1時間)
最後に学科・実技それぞれ修了試験があります。
科目免除について
玉掛け技能講習は上の項目のように原則19時間ですが、特定の条件を満たしている方は一部の科目が免除されるため、受講しなければならない時間が短くてすむ場合があります。
以下の資格を持っている方は学科の「クレーン等の玉掛けに必要な力学に関する知識(3時間)」と実技の「クレーン等の運転のための合図(1時間)」が免除されます。
- クレーン・デリック運転士
- 移動式クレーン運転士
- 揚貨装置運転士
- 床上操作式クレーン運転技能講習修了
- 小型移動式クレーン運転技能講習修了
ちなみに講習は2種類あるが…
ここまで「玉掛け技能講習」のことばかり書いてきましたが「玉掛け特別教育」と言う講習も存在します。
荷重1トン以上の玉掛け作業を行うには「玉掛け技能講習」を修了している必要がありますが、1トン未満の場合は「玉掛け特別教育」を修了していればOKとなっています。
ただ日本では制限荷重1トン未満のクレーンはあまり存在しませんので、業務として扱うにはほぼ玉掛け技能講習一択となります。
まとめ
以上が玉掛作業者に関する大まかなまとめになります。
講習だけで取得できる資格なので簡単な資格の部類に入りますが、簡単なのに需要は高く安定しており、役立つ資格のひとつであると言えます。
少しでも参考になれば幸いです。