移動式クレーン運転士とは、つり上げ荷重が5トン以上の移動式クレーンの運転を行うことができる業務独占資格である国家資格です。
移動式クレーンとは何なのかと申しますと例えば上に掲載しています画像のような「トラッククレーン」と呼ばれるものが移動式クレーンの一種になり、このような機械を扱うにあたって移動式クレーン運転士の免許が必要になってきます。
比較的稼げる資格であると言われているクレーン系の資格の中でも最も需要が高いと言われるこの移動式クレーン運転士。
この記事ではそんな移動式クレーン運転士の平均年収や資格取得難易度、就職の強さと言った気になる情報を一挙紹介していきます。
移動式クレーン運転士の特徴
クレーン系の資格の中でも最も需要が高いと言われていますよ。
移動式クレーン運転士は高需要で男女とも役立つ資格!
画像のような機械をトラッククレーンと言い、このような不特定多数の場所に移動することができるクレーン車を移動式クレーンと言います。
そしてつり上げ荷重が5トン以上の移動式クレーンを操作するには移動式クレーン運転士の資格が必要になります。
建設現場などでご覧になったことがある方も多いと思われますが、お察しの通り建設現場等で特に需要の高い資格になります。
似たような名前の資格で「小型移動式クレーン運転技能講習」と言うものがありますが、これはつり上げ荷重が5トン未満の移動式クレーンを運転できる資格になり、移動式クレーン運転士とは異なります。
またつり上げ荷重が5トン以上の移動式クレーンを操作するためには移動式クレーン運転士の資格が必要ですが、そのクレーン車で公道を走るには大型特殊免許が必要となります。
そのため移動式クレーン運転士+大型特殊免許を持っていると建設業界などで高く評価されます。

大型特殊免許の取得費用!フォークリフト等で公道を走れます
大型特殊免許があればブルドーザーやフォークリフトで公道を走れます。費用は既に普通免許などを持っているかどうかで大きく変わりますよ比較的稼げる資格!需要が高く高収入
クレーン系の資格は比較的稼げる資格と言われており、その中でも特に移動式クレーン運転士は建設業界などで非常に需要が高く、高収入に期待できる資格と言われています。
平均年収はお勤め先や年齢によって異なりますが400万円~600万円あたりと言われており、大型特殊免許も持っていればかなり安定した生活が送れそうに見えます。
近年は女性の資格取得も増えてきているようですので男女関係なく役立つ資格になってきています。
他資格への影響
移動式クレーン運転士の免許を持っているとクレーン・デリック運転士試験の学科試験「力学に関する知識」の科目と、実技試験「運転のための合図」の科目が免除対象になります。
クレーン・デリック運転士は「限定なし」「クレーン限定」「床上運転式クレーン限定」の3つの区分に分かれていますがどの区分においても上記の科目が免除対象です。
同じクレーン系の資格であるクレーン・デリック運転士ですが、こちらの資格も建設現場や工場、倉庫などで非常に需要が高い資格ですよ。

クレーン・デリック運転士の難易度,平均年収,需要など解説!
クレーン・デリック運転士(限定なし・クレーン限定・床上運転式クレーン限定)の資格の強さ、難易度、合格率、需要、平均年収など一挙解説また移動式クレーン運転士であれば玉掛け技能講習の学科「クレーン等の玉掛けに必要な力学に関する知識(3時間)」と実技「クレーン等の運転のための合図(1時間)」が免除されるため通常より早く講習を終わらせることができます。
移動式クレーン運転士になるには
試験に合格すればOKです。受験資格は特になく誰でも受験できます。
18歳未満の方も受験することはできますが満18歳に達するまでは免許証が交付されません。
移動式クレーン運転士試験の難易度
移動式クレーン運転士の試験の難易度ですが、まず平成29年度のデータを見てみましょう。
学科試験 | 受験者 5,984人 |
合格者 3,577人 |
合格率 59.8% |
---|---|---|---|
実技試験 | 受験者 530人 |
合格者 361人 |
合格率 68.1% |
決して難関と言える資格ではなく、どちらかと言えば比較的簡単と言える部類の資格になります。
とは言えクレーンの知識はかなり専門的な知識ですので、まったく畑違いの方が勉強するときは初めの方でかなり苦労するかもしれないことは頭に入れておく必要があります。
試験の内容
試験は「学科試験」と「実技試験」にわかれています。
学科試験は以下の4科目。
- 移動式クレーンに関する知識
- 原動機及び電気に関する知識
- 関係法令
- 移動式クレーンの運転のために必要な力学に関する知識
実技試験は以下の2科目になります。
- 移動式クレーンの運転
- 移動式クレーンの運転のための合図
学科試験は各科目ごと40%以上正解した上で全体で60%以上得点できていれば合格、実技試験は減点40点以下で合格となります。
科目免除について
移動式クレーン運転士試験は一定の条件を満たしていれば試験の特定科目が免除対象となります。
学科試験が全科目免除となるのは以下のケース。
- 移動式クレーンの学科試験に合格した日から1年以内の者
実技試験がすべて免除となるのは以下のケース。
- 移動式クレーン運転実技教習を修了した日から起算して1年以内の者
- 鉱山にてつり上げ荷重が5トン以上の移動式クレーンの運転の業務に1か月以上従事した者
学科「力学に関する知識」と実技「運転のための合図」の科目が免除となるのは以下のケース。
- クレーン・デリック運転士(全区分対象)免許を有する者
- 揚貨装置運転士免許を有する者
実技「運転のための合図」の科目が免除となるのは以下のケース。
- 床上操作式クレーン運転技能講習を修了した者
- 小型移動式クレーン運転技能講習を修了した者
- 玉掛け技能講習を修了した者
まとめ
以上が移動式クレーン運転士に関するまとめになります。
非常に需要の高い資格ですし、大型特殊免許と合わせれば十分に活躍できる下地が身に就くはずです。
建設業界への就職を考えている方、または現在活躍されている方はぜひこの資格に注目してみてください。