情報処理技術者試験とは極めて影響力の強い国家資格なんです
資格の鎧

情報処理技術者試験とは極めて影響力の強い国家資格なんです

上昇、ステップアップイメージ

IT・コンピュータ系の国家資格の総称です

情報処理技術者試験とは経済産業省が管轄するIT・コンピュータ関係の国家資格の12種類の総称になります。

すべて独占業務や必置義務などはなく、名称独占の資格になっています。

12種類の情報処理技術者試験

かつては14種類ありましたが2009年以降は12種類になっています。まずはどんな資格があるのか紹介していきます。

レベルは現行の試験では1~4まで存在し、4が最難関になっています。

ITを利活用する者
  • ITパスポート試験(レベル1)
  • 情報セキュリティマネジメント試験(レベル2)
情報処理技術者
  • 基本情報技術者試験(レベル2)
  • 応用情報技術者試験(レベル3)
高度情報処理技術者
  • ITストラテジスト試験(レベル4)
  • システムアーキテクト試験(レベル4)
  • プロジェクトマネージャ試験(レベル4)
  • ネットワークスペシャリスト試験(レベル4)
  • データベーススペシャリスト試験(レベル4)
  • エンベデッドシステムスペシャリスト試験(レベル4)
  • ITサービスマネージャ試験(レベル4)
  • システム監査技術者試験(レベル4)
出典:情報処理推進機構

12種類を大まかにわけてみる

女性の目

全体像を把握してみましょう

はじめての情報処理技術者試験

レベル1のITパスポートは本当の入門レベル。

その後のステップアップとしてレベル2の情報セキュリティマネジメント試験があると考えて差し支えないです。

SE人生のはじまり(!?)

実質的なエントリーであるレベル2の基本情報技術者試験に合格できれば就職にも有利に働いてくると思われます。

レベル3である応用情報技術者試験に合格すれば、他資格の一部の科目が免除になるなど特典も出てきます。

合格者の平均年齢を見ても20代が多いのが特徴でもあります。

ここまでステップアップできれば上級ITエンジニアは目前です。

専門分野

高度情報処理技術者は情報システム開発・運用側の「専門分野」と考えると全体像がつかみやすいかもしれません。

ITストラテジスト試験有資格者は戦略を立て、その戦略をシステムアーキテクト試験有資格者は具現化します。

プロジェクトマネージャ試験を突破した方はプロジェクトの責任者を担い、ITサービスマネージャ試験を突破した方はITサービスの管理者や責任者になります。

ネットワークスペシャリスト試験はネットワークの専門家、データベーススペシャリスト試験はデータベースの専門家、エンベデッドシステムスペシャリスト試験は組込みシステムの専門家になります。

そしてシステム監査技術者試験有資格者は第3者視点からこれら情報システムに問題がないか監査することが仕事になります。

これら高度情報処理技術者試験で最難関と言われているものはITストラテジスト、プロジェクトマネージャ、システム監査技術者の3つです。

すべて名称独占の資格なので資格がなければこれら仕事を行えないと言ったわけではありませんのであくまで目安ではありますが、このようにステップアップしていくものだと雰囲気をつかんでいただけでば幸いです。

情報処理技術者の特徴

コンピュータ技術者を育成するために実施されている国家資格であり、情報処理技術者の公的な評価基準として定着しています。

SEのコア資格として人気の資格

コンピュータシステム

SE、プログラマー、IT業界志望者に人気の資格です

情報処理技術者は情報システムを運用・開発するSE(システムエンジニア)系のコア資格です。

IT・パソコン系の資格や検定はたくさんありますがこちらは国家資格と言うこともあり認知度も高く、人気の資格になっています。

就職時のアピール材料になる

握手

ある意味企業が政府や自治体の入札申請を満たすための資格とも言えます

これら資格は会社から業務命令で取らされることもあります。

なぜなら官公庁や地方公共団体などからの公的な仕事における企業の技術能力の審査項目として情報処理技術者の数が入札のときに参考にされるからです。

このため新卒就職時や転職時にこの資格を持っていることは有力なアピール材料になります。

今や情報システムと無縁の会社はほとんどありませんのでシステム開発会社はもちろん、大企業の情報システム部門まで幅広く活用できるでしょう。

独立も可!?さまざまなルート

パソコンを見る若い男性

情報処理技術者試験を受け続けることでさまざまなルートが見えてきます

資格をより多く取ることでIT関連のスペシャリストを究める、資格を究めることで管理・監査系にキャリアアップしていく、もしくは独立してコンサルタントになることも可能性としては見えてきます。

他資格への影響

試験勉強

中小企業診断士、社労士、弁理士試験に影響があります

中小企業診断士試験の「経営情報システム」の科目が免除対象です。

免除対象となる資格は応用情報技術者、ITストラテジスト、システムアーキテクト、プロジェクトマネージャ、システム監査技術者です。

応用情報技術者の前身である第1種情報処理技術者・ソフトウェア開発技術者、ITストラテジストの前身であるシステムアナリスト、システムアーキテクトの前身である特種情報処理技術者・アプリケーションエンジニア、システム監査技術者試験の前身である情報処理システム監査も同様に有効となります(過去にあった資格です)。

次に高度情報処理技術者試験に合格した方は社会保険労務士試験の受験資格を満たします。

また弁理士試験では論文式筆記試験の選択科目が免除されます。

免除の対象とならないものはITパスポート、情報セキュリティマネジメント、基本情報技術者でそれ以外のもの、それ以外のものの前身は免除対象になります。

免除対象となる中で比較的難易度の低い応用情報技術者(レベル3)に挑戦してからこちらの試験に挑む方もいるようです。

資格を取得するには

国家試験に合格すればOKです。

試験の日程

試験の日

基本は年2回です

ITパスポートは随時行われていますがそれ以外の試験は春期と秋期の年2回行われています。

合格率は

難しいルービックキューブ

高度情報処理技術者試験は難関です

ITパスポートは40~50%、情報セキュリティマネジメント試験は70%程度です。

基本情報技術者試験は20%と名前のわりには合格率が低く、実務経験者でもなめてると簡単に落ちてしまうと言われています。

応用情報技術者試験も合格率は20%程度です。こちらは他資格にも影響してくるので価値がありますね。

高度情報処理技術者に該当するものは10~16%程度と難関試験になっています。

まとめ

コーヒーを飲む男性

いかがでしたか?

以上が情報処理技術者試験の概要になります。なんとなく全体像をつかんでいただけたでしょうか?

情報処理技術者試験は名称独占の資格ではありますが、IT業界ではもちろん企業の人材育成では学習目標として、また人事評価面では昇格や昇進の基準として、企業の取引では合格者数を技術力の評価基準として活用されているきわめて大きな影響力をもっている試験と言えます。

就職や転職、他資格受験を有利に進めるためにも注目しておきたい大事な資格です。