土地改良換地士とはどんな資格か解説!仕事内容や就職先など
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土地改良換地士とはどんな資格か解説!仕事内容や就職先など

農地

農用地集団化の専門家である業務独占資格です

土地改良換地士とは、農用地の集団化に関する専門家です。

土地改良区がほ場整備等の土地の区画形質の変更に伴う土地改良事業において換地計画に意見を述べる業務独占国家資格になります。

土地改良換地士の特徴

「ほ場(ほじょう)」とは「田畑」の意味になります。

土地改良換地士の仕事内容

稲作

国や地方公共団体が行う事業で活躍します

土地改良換地士とは農用地集団化に関する専門家になりますが、まず農用地集団化事業とは農地の形を整えて農業の生産性の向上を目指すことを言います。

「家の前に田んぼはあるけどこれはお隣さんの田んぼなんです。ワシの農地は2km先のあの辺にあるあの田んぼと5km先のあの畑ですわ」などと言ったように農地が点在している状況がこの方だけでなくその地域の大勢で起こっていた場合、この地域の農家の方の大多数はまず自分の農地に行くまでかなり移動しなければならず、生産性が落ちてしまうことは想像できるかと思います。

そこでこの地域の農地をいったん整理し、まずお隣さんの農地をお隣さんの家の前に分配し、この方の2km先5km先の農地をこの方の家の前にすると言ったように地域ぐるみで交換すれば、この地域の方はみなわざわざ遠くの農地までいかずともよくなり、結果として生産性は向上するでしょう。

少し大雑把かもしれませんが、こういったことを農用地の集団化と言います。

土地改良換地士は農用地の集団化に関する事業の専門家としてこう言った計画に対して意見を述べることが仕事になり、高度な専門知識と公平さが要求される仕事になります。

そして土地改良区がほ場整備等の土地の区画形質の変更を伴う土地改良事業において換地計画を定めるには、権利者会議の議決前に、農用地の集団化に関する事業についての専門的知識およびその事業に係る実務の経験を有する土地改良換地士の意見をきかなければならないと土地改良法で定められている業務独占資格になります。

就職先や年収について

ネクタイを締める男性

スキルアップ系の資格と言えます

土地改良換地士は建設系・土木系のコンサルティング会社や測量会社などで活躍できる資格と言えます。

ただし就職のための資格と言うよりはスキルアップのための資格と言え、土地改良換地士の試験自体は実務経験などの受験資格はないのですが実際は実務経験がなければ合格することはかなり難しい試験になっています。

年収は会社にもよりますが500万円~700万円ラインになると言われています。

他資格への影響

パソコンを見て考える男性

社労士試験に影響ありです

土地改良換地士の有資格者は社会保険労務士試験の受験資格を満たします。

土地改良換地士になるには

試験に合格すればOKです。受験資格は特になく誰でも受験できます。

合格率は10%~20%

難しいルービックキューブ

難易度の高い資格と言えます

土地改良換地士試験は大体16%前後の合格率になっていますが、受験者数が少ない試験かつ合格点を取れれば合格と言った基準と言うこともあり、年によっては合格率がガクッと下がることもあります。

ちなみに平成29年度は受験者数256人、合格者数41人で合格率は16.0%でした。

試験の内容

試験勉強

実務経験がなければ難しい内容です

試験は「知識の試験」と「実務の試験」に分かれており、知識の試験は多肢選択式と記述式、実務の試験は記述式の試験になります。

知識の試験は(ア)「土地改良法」「民法」「不動産登記法」「土地改良登記令」「戸籍法」「農地法」「その他換地の事務処理を行うに必要な関係法令」(イ)「測量および土地改良法のうち換地関係規定に関するもの」となっています。

実務の試験は(ア)「換地計画書の作成に関するもの」(イ)「従前地各筆調書の作成、戸籍簿等調査、代位登記申請書の作成および測量(求積計算)に関するもの」となっています。

受験資格が特にない試験になっていますが、実際は実務経験がないとかなり厳しい試験内容になっています。

実務の試験は免除あり

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実務経験があれば「知識」は免除対象です

試験は「知識の試験」と「実務の試験」で構成されていますが、このうち実務の試験は通算して10年以上の実務経験があれば免除可能となります。

ただしその実務経験は「換地計画書の作成」「代位登記申請および換地処分登記申請に関する事務」に関するすべてを含むものではなければなりません。

まとめ

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いかがでしたか?

以上が土地改良換地士に関するまとめになります。

受験資格が特にない試験とは言え、素人が挑戦するにはかなりハードルの高い試験になっているプロ資格と言えますね。

少しでも参考になれば幸いです。