専門調理師・調理技能士とは、調理技術技能評価試験に合格した調理師が得られる称号であり、名称独占の国家資格になります。
この資格は実務経験を積んだ調理師しか受験することができないため一般的には調理師の上位資格と認識されています。
この記事ではそんな専門調理師・調理技能士を取得することで開ける未来や取得する価値などを考察していきます。
専門調理師・調理技能士の特徴
この称号があることで調理師として高い評価を得られます。
専門調理師・調理技能士とはなにか
技能士とは技能検定に合格した方に与えられる称号で、専門調理師・調理技能士に限らず100種類以上存在する国家資格です。
有名どころで言えばFP技能士(ファイナンシャルプランナー)になりますが、知的財産管理技能士やとび技能士など幅広いジャンルで存在しており、専門調理師・調理技能士はそのひとつと言うことになります。
資格がないと〇〇ができないと言う業務独占資格と違ってあくまで名称独占資格=称号のようなものですので「その道のプロ」であることを国が認定すると言った意味合いの資格になっています。
技能士は1級・2級・3級とわかれていることが多いのですが専門調理師・調理技能士に関しましては単一級となっており、等級の区分はありません。
また科目が「日本料理」「すし料理」「西洋料理」「中国料理」「めん料理」「給食用特殊料理」の6科目あり、受験者はこの中から1つを選択します。
試験に合格すると選択した科目に応じて「日本料理専門調理師」「すし料理専門調理師」「西洋料理専門調理師」「中国料理専門調理師」「めん料理専門調理師」「給食用特殊料理専門調理師」の称号が得られます。
これら専門調理師・調理技能士は調理師の上位資格と一般的には認識されており、そのためこの資格を取得するにはまず調理師免許を持っている必要があり、受験資格のひとつとして「調理師免許を有していた期間が3年以上」というものがあります。
さらにその上で受験に必要となる実務経験が6年~8年と比較的長期にわたる経験が求められます。
専門調理師・調理技能士の資格は役に立つのか?
調理師免許は比較的就職や転職に強い資格ですのでその上位資格と位置付けられている専門調理師・調理技能士であれば最低6年以上の確固たる実務経験があることの証明にもなりますので転職等には強いと言えます。ただし劇的に有利になるとは言いづらいです。
また専門調理師・調理技能士であれば調理師養成施設の教員になれるため、普通の調理師よりも就職先の幅は広くなると言えますが、求人が多いわけではないためこちらの面でも劇的に有利になるとは言いづらいです。
ただもしかすると海外で働いてみたいと思う方には有利に働くかもしれません。
1980年ごろからアメリカで日本食ブームが起こり、近年はユネスコの世界文化遺産に「和食」が登録されるなど日本食・寿司は非常に人気で、日本で学んだ寿司職人に関しては年収1000万円も可能な仕事だと言われるほどになっています。
私もかなり昔ですがアメリカに遊びに行ったとき日本食レストランは非常に人気が高かったことを覚えていますが、私がいた地区では中国人・韓国人が運営している日本食レストランが多く、日本人が運営しているレストランは非常に少なかったことをよく覚えています。現地の人もよく知っていて話題にしていましたし、やはり日本で学んだ日本料理人と言うのは海外では需要が高いのではないかなと肌身で感じた次第です。
そういえば数年前にAppleが寿司職人を募集していたこともありましたね(条件が鬼のようでしたが…)
さて、調理師の話に戻りますがまず日本の調理師免許は海外では有効ではありません。
しかし海外で働くためには就労ビザが必要になるのですがこのときの審査において調理師免許を持っていることが有利に働く場合があります。
また日本食レストランでは日本の調理師免許の評価は高く、さらに日本料理専門調理師・すし料理専門調理師をも持っていれば日本国から評価された日本料理シェフ、またはすし職人と言うことになりますので、まるでマンガ・中華一番に出てくる「特級厨師」のようです。使い方次第では大活躍できる可能性もあると言えるでしょう。
専門調理師・調理技能士になるには
試験に合格すればOKです。先に紹介しているように受験資格として実務経験が必要になりますので確認してください。
受験資格について
まず受験資格として「調理師免許を持っていること」と「所定の年数の実務経験があること」が必要になります。
すべての人に共通することが所定の年数の実務経験のうち調理師免許を持っている期間が3年以上必要だと言うことです。
調理師になるには?資格のメリット・デメリットなど徹底解説
調理師になる方法は2通りあります。取る意味がないとまで言われることもある資格ですが実はさまざまなメリットも存在し、価値はあります