第一種・第二種電気工事士についてわかりやすく解説します
電気工事士とは、住宅や店舗などの屋内配線やコンセントの設置・アース施行を行うことができる業務独占資格の国家資格です。
中高年の再就職に強いと言われる当ブログでも強くおすすめしている国家資格のひとつになります。
電気工事士がどのような作業を行える資格なのか?また電気工事士には第一種・第二種と存在しますがこれらはどう異なるのか?将来性や難易度・合格率、独学で取得できるのか?など気になる点をわかりやすくまとめてみました。
電気工事士の特徴
就職にとても強いと言われる資格で将来性もあります。
電気工事士とはどのような作業を行える資格か
電気設備の工事を行うことのできる資格になります
知識や技術がない人が行えば感電してしまう恐れのある電気設備の工事・取扱いは電気工事士しか行うことができません。違反すれば罰金などの規定があります。
電気工事士には「第一種電気工事士」と「第二種電気工事士」の2種類があり、第一種の方が上位資格になり、行うことのできる電気工事の規模が違ってきます。
ざっくりしたイメージで行くと第一種電気工事士はビルや工場と言った大きな設備の電気工事を行うことができ、第二種電気工事士は住宅・小さな店舗・家庭用太陽発電背悦日など小規模な電気工事ができる資格と言った感じになります。
具体的には以下のように規定されています。
- 第一種電気工事士:一般電気および500kW未満の自家用電気工作物の電気工事の作業に従事
- 第二種電気工事士:一般用電気工作物の電気工事の作業に従事
近年はDIYがブームになりつつありますが、こちらも電気工事士の資格があるとコンセントの工事も行うことができますので幅が広がります。
需要が高く将来性あり!中高年の再就職にも強い
60歳を過ぎても職に困らないと言われることも
電気自体私たちの生活に欠かせないものであり、その工事をできるのが電気工事士のみと定められている以上、必然的に需要の高い資格になっています。また職人の高齢化が進んでいることから電気工事士の人手は不足しています。
求人も多く就職に強い資格であり、若い方に限らず中高年の方の再就職にも強い資格です。
オール電化の家庭、太陽光発電を設置する家庭も増えていますし、電気自動車なども登場していることから今後も電気工事士の需要は高く、将来性の高い資格と言えるでしょう。
就職先も意外と幅広いことも特徴と言えます。
電柱に登って作業をしている電気工事士の方を皆さんも見たことがあると思われますがあのような外線工事や新築建物の屋内配線工事・エアコンの取り換えなどを行う建築電気工事の仕事は電気工事士の代表的な仕事と言えます。
他にも夜間に電車の運転が終了したあとに線路の工事や変電設備の工事を行う鉄道電気工事も電気工事士の仕事になります。
またビル管理の仕事なども電気工事士が行います。ビル管理の仕事は平均年齢が高いため60歳を過ぎても就職に困らないとも言われているようです。
電気工事士の平均年収は400万円~500万円と言われています。
他資格への影響
さまざまな資格の受験資格になります
電気工事士の資格を持っていると言うことで他の資格の受験資格を満たしたり、ちょっとした特典があることもあります。
第二種電気工事士の資格を持っていると以下の資格の受験資格・受講資格を満たすことができます。
- 消防設備士甲種
- 消防設備点検資格者
- 2級電気工事施工管理技士(実務経験1年以上)
第一種電気工事士の資格を持っていると以下の資格の受験資格・受講資格を満たすことができます。
- 消防設備士甲種
- 消防設備点検資格者
- 電気工事施工管理技士(1級も2級も実務経験の年数不問)
電気工事施工管理技士は近年儲かる資格ランキングにも台頭しつつあり施工管理技士系の資格で、現在電気工事士の方は電気工事施工管理技士になることで100万円単位の年収アップに期待できますよ。
電気工事士になるには
第一種も第二種も基本的には試験合格で取得できますが、第一種は実務経験がなければ免状の交付を受けることができません。どちらも受験資格は特になく誰でも受験できます。
第一種・第二種の受験資格や取得方法
受験資格はないが第一種は実務経験がないと取得できないので注意
第二種電気工事士の資格を取得する方法は以下の2通りになります。
- 第二種電気工事士の筆記試験+技能試験に合格
- 第二種電気工事士養成施設を卒業
第二種電気工事士試験に受験資格はないので基本的に誰でも受験できます。
第二種電気工事士養成施設は全国に約120校ある専門学校や専修学校で所定の単位を納めて卒業することで無試験で取得することができたり筆記試験が免除になったりします。
次に第一種です。
第一種電気工事士は試験自体に受験資格はないものの、実務経験がなければ免状が交付されないため、第二種を取得して実務経験を積む流れが一般的です。
- 第一種電気工事士試験に合格+電気工事の実務経験通算3年以上
- 電気主任技術者の免状取得後、電気工作物の工事・維持に5年以上従事
- 高圧電気工事技術者試験(昭和62年以前のもの)合格後、電気工事の実務経験通算3年以上
第一種電気工事士を取得するパターンは3つありますがどれにしても実務経験は避けられません。かつては5年以上の実務経験が必要でしたが2021年4月1日から3年に短縮されました。
また電気主任技術者としての実務経験が5年あれば第一種電気工事士試験を受けずに取得できます。
高圧電気工事技術者に関しては昭和62年以前に行われていた試験で現在の第一種電気工事士と同じような扱いになっているものです。今現在受験を試みようとしている方にはあまり関係のない話になります。
合格率は50%前後と比較的高く難易度は低め
難易度は低いので挑戦しやすいです!
電気工事士試験は第一種も第二種も筆記試験と技能試験があります。
第二種電気工事士の筆記試験合格率は50%~60%、技能試験は60%程度となっています。
第一種電気工事士試験に関しても筆記が40%~50%、技能試験が60%程度となっているため決して難関資格ではなく、勉強が嫌いで仕方がないという人でもがんばれる範囲の資格と言えるでしょう。
試験の内容・試験範囲
電気に関する一般問題・配線問題、そして実際に工事する試験です
第一種・第二種ともに筆記試験・技能試験の2つに合格する必要があり、筆記試験は現在マークシート形式になっていますが今後コンピュータ端末を利用したCBT筆記試験の導入を検討しているそうです。
第二種電気工事士の筆記試験の科目は以下の7つです。
- 電気に関する基礎理論
- 配電理論及び配線設計
- 電気機器、配線器具並びに電気工事用の材料及び工具
- 電気工事の施工方法
- 一般用電気工作物の検査方法
- 配線図
- 一般用電気工作物の保安に関する法令
第一種電気工事士の筆記試験は以下9科目です。
- 電気に関する基礎理論
- 配電理論及び配線設計
- 電気応用
- 電気機器、蓄電池、配線器具、電気工事用の材料及び工具並びに受電設備
- 電気工事の施工方法
- 自家用電気工作物の検査方法
- 配線図
- 発電施設、送電施設及び変電施設の基礎的な構造及び特性
- 一般用電気工作物及び自家用電気工作物の保安に関する法令
技能試験は出題された配線図通りに実際に工事をして完成させると言う試験になっています。
持参できる工具は指定されているので準備しておく必要があります。
直前になって慌てて工具を用意しようとしても売り切れていたりすることもあるようなので早めに準備しておく必要がありますね。
筆記試験が免除されることもある
当てはまっている場合もあるかもしれないので要確認
第一種・第二種ともに筆記試験が免除になることがあるので念のため確認しておきましょう。
代表的なものとしては前回の筆記試験合格者や電気主任技術者の有資格者は免除対象になっています。
まず第二種電気工事士の筆記試験免除対象者。
筆記試験の免除について(第二種電気工事士試験)
- 前回の第二種電気工事士筆記試験に合格した方
- 高等学校、高等専門学校及び大学等において経済産業省令で定める電気工学の課程を修めて卒業した方
- 第一種、第二種又は第三種電気主任技術者免状の取得者
- 鉱山保安法第18条の規定による試験のうち、電気保安に関する事項を分掌する係員の試験に合格した方
- 旧自家用電気工作物施設規則第24条第1項(ヘ)及び(ト)の規定により電気技術に関し相当の知識経験を有すると認定された方
- 旧電気事業主任技術者資格検定規則による電気事業主任技術者の有資格者
次に第一種電気工事士の筆記試験免除対象者。
筆記試験の免除について(第一種電気工事士試験)
- 前回(前年度)の第一種電気工事士筆記試験に合格した者
- 第一種、第二種又は第三種電気主任技術者免状の交付を受けている者
- 旧電気事業主任技術者資格検定規則による電気事業主任技術者の資格を有する者
特に前回筆記試験のみに合格している方は忘れないようにしておきたいです。
電気工事士は独学で取得も可と言われる資格です
電気工事士は独学取得されている人も多く、特に第二種に関しては多くの人が独学で狙っています。
おすすめのテキスト
電気工事士試験対策としてよく選ばれているのがすい~っと合格シリーズです。
まずは第二種。
続いて第一種。
技能試験の際には工具が必要になり、直前になると売り切れていることもあるので早めに確保して練習しておくことも大切です。
ユーキャンで学習すれば質問もできる
ユーキャンには第二種電気工事士講座があります。
完全な独学との大きな違いはわからないところを質問できると言う点です。
完全な独学ではわからないところが出てくると解決するまでとても手間取る、もしくは放置して進めなければならないと言う欠点があります。
またこの講座は開口実績30年以上とかなり歴史があり、はじめて資格に挑戦しようとしている人を多いにサポートできる体制が十分に整っているのも魅力です。
テキストもユーキャンから送られてきますのでテキスト選びに自信がない方や面倒に感じる方にはおすすめです。
また技能試験対策の用具や機器も送られてきますし、技能試験にしっかり備えられるのも大きなメリットと言えます。
もちろん第一種電気工事士講座もあります。
第二種同様にわからないところを質問できますし、テキストや用具、機器など技能試験のための練習材料一式も届くので、資格に向けて諸々準備する時間が取れない人にもおすすめです。
まとめ
いかがでしたか?
以上が電気工事士についての情報のまとめになります。
非常に将来性が高く就職に強い資格ですが難易度もさほど高くないと言うおすすめの資格です。
電気工事士として働きながら他の電気系の資格である電験3種や電気工事施工管理技士などに挑戦してステップアップしていくのもいいですね。
少しでも参考になれば幸いです。