システム監査技術者試験とは情報処理技術者試験の1つで高度情報処理技術者に分類される名称独占の国家資格です。
高度IT人材として確立した専門分野を持ち、情報システムや組込みシステムを総合的に点検・評価し、監査結果をトップマネジメントなどに報告し、改善を勧告する能力を証明します。
システム監査技術者試験の特徴
英語名はSystems Auditor Examinationであり、略号はAUです。
旧試験である情報処理システム監査技術者試験が改称されたものです。
システム監査技術者とは
大規模なシステム障害や情報セキュリティ事故は現在ニュースになることも多いです。
こう言った問題を可能な限り防ぐために情報システムを第3者の視点から点検・評価し、結果を報告し、改善を行うことがシステム監査技術者の仕事になります。
コンピュータが故障やダウンすることがないようその防止策などをアドバイスすることが仕事になるため、このあたりの知識が豊富であることはもちろんのこと、システム監査は情報システムや組込みシステムの評価に限らず、法令遵守(コンプライアンス)状況の確認も行いますのでシステム監査に必要な知識はかなり広くなります。
そのためシステム監査技術者試験はITストラテジスト試験、プロジェクトマネージャ試験と並び、情報処理技術者試験の中でも最難関の1つとされる試験になります。
システム監査技術者の活躍の場
システム監査技術者はIT業界やコンピュータ企業でのシステム監査を担当する部署に就職したり、ITコンサルタントとしてコンサルティング会社で活躍する道も見えてきます。
システム監査の仕事の性質上、知識だけでなく相手にわかりやすく伝えるためのコミュニケーション能力が必要となるため、このあたりに自信がある方は思い切って目指してみるととても良い結果が待っているかもしれません。
他資格への影響
システム監査技術者試験に合格すると中小企業診断士試験の経営情報システムの科目が免除対象になります。
またシステム監査技術者試験に合格することで社会保険労務士試験の受験資格を満たします。
さらに弁理士試験では論文式筆記試験の選択科目が免除になります。
システム監査技術者試験の資格を取得するには
試験に合格すればOKです。受験資格は特になく誰でも受験できます。
合格率は13~15%
システム監査技術者試験の合格率は13~15%を推移しています。
平成21年度は13.9%、平成22年度は14.3%、平成23年度は14.5%、平成24年度は14.6%、平成25年度は14.1%、平成26年度は13.2%、平成27年度は14.2%、平成28年度は14.3%、平成29年度は15.1%となっています。
試験の内容
試験は1日で終わりますが午前1・午前2・午後1・午後2とわけられており1日かけた長期戦になります。
午前1の試験内容
マークシート形式で応用情報技術者試験相当の難易度(レベル3)の試験になります。
ここで基準点(60%)が取れなければ問答無用で不合格となり、以降は採点されません。
2年以内に応用情報技術者試験・他の高度情報技術者試験に合格した方は午前1が免除されます。また同じく2年以内に他の高度情報処理技術者試験の午前1に基準点以上を得点できた場合も免除対象となります。
午前2の試験内容
同じくマークシート形式の試験でシステム監査や法務に関する問題に重点が置かれていることが特徴です。
ここでも基準点(60%)を取れなければ不合格となり、以降は採点されません。
午後1の試験内容
3題のうちから2題を選択して解答する試験になります。
ここでも基準点が取れなければ不合格となり、午後2は採点されません。
午後2の試験内容
2題のうち1題を選んで小論文を書きます。
最終的にA・B・C・Dで評価され、Aランクであれば合格、それ以外は不合格となります。
まとめ
以上がシステム監査技術者試験の大まかなまとめになります。
システム監査技術者試験の合格者の平均年代は40歳以上が多く、これまでSEだった方がシステム監査人になることもめずらしいことではありません。
年収も期待できる職業ですのでご自身に向いてそうであれば思い切って挑戦してみるも手だと思います。