建築設備士とはどんな資格か解説!難易度,合格率,将来性etc
資格の鎧

建築設備士とはどんな資格か解説!難易度,合格率,将来性etc

建設コンサルティング

建築士のアドバイザー的存在です

建築設備士とは、建築設備全般に関する知識と技能を有し、建築士に対して高度化、複雑化した建築設備の設計・工事監理に関する適切なアドバイスを行う名称独占国家資格です。

建築設備士の特徴

英語名はBuilding Mechanical and Electrical Engineerになり、様々な他資格に影響をもたらす有力な資格です。

建築設備士の仕事内容

建築家のオフィス

建設コンサルタントとして活躍!

建築設備士は建築士にアドバイスをする存在であると冒頭で書きましたが、まず建築設備とは具体的にはエアコンや換気扇、水道、照明などと言った設備のことを指します。

建物の設計は建築士が行う仕事であり建築設備士が行うことはできませんが設計の段階でエアコンや照明などについて意見を求められた際にアドバイスをすると言うことが建築設備士の仕事になります。

ただし建築設備士はあくまで名称独占の資格であるため建築士に対して建築設備に関するアドバイスをできるのは建築設備士だけというわけではなく、また建築士も建築設備に関するアドバイスが必要なければアドバイスを受けることなく設計することは可能です。

年収は高め!就職先や転職の有利さなど

建設労働者の女性

年収1000万円以上の方も!

仕事内容をごらんになればわかるように建築設備士が活躍する場所は主に建築会社になります。

他にも建築設備メーカーや不動産会社、メンテナンス会社などで活躍することも可能です。

建築設備士は十分な実務経験がなければ受験資格すら得られない資格でもあることから取得者の平均年収は高く、およそ500万円~800万円と言われています。

大手ゼネコンでは1000万年以上の方もいるようです。

有力な資格ですので転職したい場合もこの資格は強い味方になってくれるでしょう。

建築士の受験資格が得られる!二級は即受験可

図面

建築士試験に唯一影響する資格です

建築系の資格で最高峰の資格と言えばやはり建築士、中でも一級建築士になりますが、建築士試験と言うものは排他的であり、畑違いの業種で活躍してきた社会人が急に取得できる資格ではなく、基本的には大学や専門学校を卒業することではじめて受験資格が得られる資格です。

しかし建築設備士の有資格者であれば二級建築士試験・木造建築士試験は実務経験なしで受験可能となります。

また建築設備士で実務経験が4年以上あれば稼げる資格ランキングにも入っている一級建築士試験の受験資格を満たすことも可能になります。

建築設備士の資格を取得するのにも実務経験は必要にはなりますが、建築士試験において他資格を持っていると言うことで受験資格を満たせるのは建築設備士の資格だけになります。

社会人になってから建築士を目指して働きながら学校に通うことを考えていらっしゃる方もいる中、この特典は要注目ですね。

他資格への影響

パソコンを見て考える男性

建築系の資格に大きく影響します

上記で紹介したようにまず建築設備士の有資格者は二級建築士・木造建築士試験の受験資格を満たし、また実務経験が4年以上あれば一級建築士試験の受験資格を満たします

実は建築設備士の資格が他資格に与える影響はこれだけではなくたくさんあります。

まず建築設備士であれば社会保険労務士試験の受験資格を満たします。

また建築設備士であれば建築設備検査員の受講資格を実務経験なく満たすことが可能であり、そして昇降機等検査員防火設備検査員の講習では一部免除が可能です。

他には民間資格のマンション維持修繕技術者試験の受験資格を満たすことも可能です。

建築設備士になるには

試験に合格すればOKです。受験資格があり必ず実務経験が必要になります。

受験資格について

時間

どのルートでも必ず実務経験が必要です

まず学歴+実務経験で受験資格を満たす方法から紹介します。ここで紹介する学歴は正規の建築・機械・電気または同等と認められる課程を修了している必要があります

  • 大学卒業⇒2年以上
  • 短期大学・高等専門学校卒業⇒4年以上
  • 高等学校⇒6年以上
  • 専修学校専門課程(修業年限4年以上、120単位以上)卒業⇒2年以上
  • 専修学校専門課程(修業年限2年以上、60単位以上)卒業⇒4年以上
  • 上記以外の専修学校専門課程卒業⇒6年以上
  • 職業能力開発総合大学校または職業能力開発大学校の総合課程、応用課程または長期課程修了⇒2年以上
  • 職業訓練開発大学校の長期指導員訓練課程または長期課程修了⇒2年以上
  • 職業能力開発総合大学、職業能力開発大学校または職業能力開発短期大学校の特定専門課程または専門課程修了⇒4年以上
  • 職業訓練短期大学校の特別高等訓練課程、専門訓練課程または専門課程⇒4年以上
  • 高等学校を卒業した後、職業能力開発校、職業能力開発促進センターまたは障害者職業能力開発校の普通課程修了⇒6年以上
  • 高等学校を卒業した後、職業訓練施設(職業訓練短期大学校を除く)の高等訓練課程、普通訓練課程、または普通課程を修了⇒6年以上

次に資格+実務経験で受験資格を満たす方法を紹介します。この方法で受験資格を満たす実務経験の年数は、資格取得の前後を問わず、すべて2年以上になります。

資格や学歴などを満たさない場合、建築設備に関する実務経験が9年以上あれば受験資格を満たすことができます。

合格率は18%ラインと難関

難しいルービックキューブ

難関資格と言えます

一次試験、二次試験とを総合した合格率はだいたい毎年18%前後となっています。

受験するまでに時間がかかる試験であるにも関わらずなかなかの難関試験です。

試験の内容

試験勉強

一次試験は1年間有効です

第一次試験(学科)第二次試験(設計製図)の2つの試験に合格する必要があります。

学科試験は一度合格すれば1年間有効であり、申請することで免除されます。

学科試験は「建築一般知識、建築法規」「建築設備」が問われ、設計製図試験では5時間30分にわたり「建築設備基本計画、建築設備基本設計製図」が行われます。

まとめ

コーヒーを淹れる女性

いかがでしたか?

以上が建築設備士に関するまとめになります。

受験するまでに時間がかかる上に難関試験ですのでなかなか一筋縄で取得できる資格ではありませんが近年複雑化しているビル等において建築設備士の需要は増えてきていると言われています。

また建築設備士は測量・建設コンサルタント等業務競争参加資格審査において一級建築士と同等の資格として扱われると言うのも大きな特徴のひとつです。

難しい資格ですが取得する価値は大いにあると言えます。