消防設備士とは、建物に設置する消防設備の工事、整備、点検、メンテナンスを行うことができる業務独占の国家資格です。
消防設備士の特徴
建物には消化器や感知器、スプリンクラー設備等の消防用設備を、建物の用途や規模等に応じて設置しなければならないと法律で義務付けられています。
需要が高く、就職や転職に有利!
現在日本ではマンションやショッピングセンター等の大型施設が増え続けています。
建物の規模によって消防設備の設置が義務付けられていると最初に書きましたが、これはただ設置すればよいものでなく、一度設置すれば定期的に点検を行わなければなりません。
もちろんこれを行えるのは消防設備士だけです。安定した需要があります。
ビル管理業界やメンテナンス業界の企業にとっては必ず必要な資格と言え、就職や転職にも強いです。
中高年の就職にも強い
40代・50代の方でも取得しやすく、再就職に有利だと言われている資格ですので、消防設備士の資格取得に挑戦する年配の方もめずらしくはありません。
また男性中心の職場ですが女性の受験者も見られるようです。
男性が入りづらい女子トイレや女子更衣室の消防設備の点検などは女性の方が入りやすく有利ですよね。
他資格への影響
消防設備点検資格者は受講することで取得できるのですが、受講資格のひとつに「消防設備士の資格を有する者」とあります。
東京消防庁内に限定の資格である防火管理技能者も消防設備士の有資格者であることで受講条件を満たします。
同系統の関連資格を複数取得できる可能性があるためステップアップが狙いやすいです。
また甲種消防設備士としての実務経験が5年以上あると特定建築物調査員の受講資格を満たします。
さらに甲種消防設備士、乙種消防設備士ともに感知器に関しての実務経験が5年以上あれば防火設備検査員の受講資格を満たします。
消防設備士について
消防設備士は大きく「甲種」と「乙種」に分かれており、行える仕事内容が違います。
また消防設備士が扱える消防用設備等は13種類あり、試験も13種類あります。それぞれを扱うためには該当する資格を持っていなければなりません。
ひとつでも多く取得すれば、それだけ就職や転職に有利になります。
乙種消防設備士
乙種消防設備士は消防用設備等の整備のみを行います。
乙種は第1類~第7類まで区分されており、種類に応じて整備を行える消防用設備が定められています。
甲種消防設備士
甲種消防設備士は消防用設備等・特殊消防用設備等の工事・整備を行います。
甲種は特類・第1類~第5類まで区分されており、種類に応じて工事や整備を行える消防用設備が定められています。
消防設備士になるには
国家試験を受験し、合格すれば消防設備士になれます。
受験資格
乙種には学歴・年齢などに受験資格はありませんが、甲種には受験資格があります。
基本的には2年以上の実務経験を持つ乙種消防設備士、受験する類以外の甲種消防設備士、もしくは消防関連の実務経験を持つものや機械・電気・工業化学・土木・建築に関する学校を卒業した方などたくさんありますが、以下の有資格者も対象になります。
出典:一般財団法人 消防試験研究センター
- 技術士第2次試験合格者
- 電気工事士
- 電気主任技術者
- 管工事施工管理技士(管工事施工管理の種目に係わる1級又は2級の技術検定に合格された者)
- 無線従事者資格(アマチュア無線技士を除く。)の免許を受けている者
- 1級・2級建築士
- 1級又は2級配管技能士
- ガス主任技術者(第4類消防設備士の受験に限る。)
- 給水装置工事主任技術者
合格率は平均35.9%
試験の合格基準は一定の合格基準を超えた人は全員合格となっています。
他の国家試験では合格率10%を切ってしまうものも多いだけに消防設備士試験は比較的やさしい国家試験と言えるため、しっかり勉強すれば取れる資格と言えます。
まったくのはじめての方はまずもっとも簡単で実用的な乙種第6類を受験するといいでしょう。合格率は40%程度と言われています。
試験の日程
消防設備士の試験の期日や回数は各都道府県によって異なり、一定していません。
ただしどの類の試験も、各都道府県で最低年1回は行われています。
都道府県によっては年2回以上行われるところもあり、お住まいの都道府県以外での受験も可能です。
資格には更新があります
消防設備士の資格は新しい知識や技能習得のために更新する必要があります。
とは言っても最初に資格を取得してから2年以内、その後は5年以内ごとに講習を受けるだけでOKで、試験を受けなおす必要はありません。
まとめ
以上が消防設備士についての情報、試験や合格率などのまとめになります。
法律が大きく変わらない限りは安定した需要のある資格ですので、できるところ、使えるところからひとつずつ取っていきたいですね。
少しでも参考になれば幸いです。