危険物取扱者とは?人気の乙4など資格のメリットを徹底解説
資格の鎧

危険物取扱者とは?人気の乙4など資格のメリットを徹底解説

給油

人気の乙4をはじめ需要が安定した人気資格です

危険物取扱者とは一定以上のガソリンやアルコールと言った「危険物」を貯蔵・取り扱う施設において必ず危険物取扱者有資格者を置かなければならないと定められている必置資格である国家資格です。

需要の安定した就職に強い資格であり、特に乙4と呼ばれるものが有名な人気資格になっています。

この記事では危険物取扱者の甲種・乙種・丙種の違いや、合格率・難易度・受験資格、就職に強いのか?独学で取れるのか?などと言った気になる疑問もあわせてわかりやすく解説していきます。

危険物取扱者の特徴

危険物とはガソリンや石油、金属粉など燃焼性の高いものを指します。危険物取扱者はその管理責任者の役割を担います。

就職に役立つ必置資格!安定した需要が特徴

ガソリン

需要が幅広く安定していて再就職にも有利!

必置資格とは「〇〇と言う事業を行うには××と言う国家資格を持った人を●人以上設置しなければならない」と言った感じに法律で定められているタイプの資格になります。

例えば不動産営業所では宅地建物取引士の資格を持った人を5人に1人の割合で設置しなければなりませんし、常時50人以上の労働者を使用する事業場では衛生管理者を選任しなければならないと定められており、このような資格が必置資格になります。

この危険物取扱者も必置資格であり、一定以上の危険物を貯蔵・取り扱う企業では危険物取扱者の資格を持った人を事業の規模に見合った人数分、設置しなければならないと法令で定められています。

このような必置資格は資格を持っている人がいなければ仕事にならないため基本的に就職に強い資格である反面、大抵の必置資格はある程度必要となる業種が限定されてしまうのですが、危険物取扱者に関しては必要となる業種がとても幅広いと言う特徴があります。

たとえばガソリンスタンド、化学工場、石油貯蔵タンク、印刷関係、燃料関係、塗料関係、薬品関係、研究所、また近年では建築資材やハイテク産業、廃油リサイクル施設でも危険物が使われます。

また円筒状のタンクを乗せて走っているタンクローリーと言うトラックを皆さんも見たことがあると思いますが、ガソリン・石油・劇薬などを運ぶタンクローリーは運転手か同乗者が危険物取扱者の資格を持っている必要があります。

タンクローリー

小さめのタンクローリー

もっと大きなタンクローリーを連想される方が多いと思いますが、このように灯油販売などで使われるような小さいサイズのタンクローリーもあります。

「危」の標識は危険物車輌であることを意味しており、危険物取扱者が必要になります。

このように社会的な需要が高く幅広く安定していることから就職に強い資格と言え、中高年の再就職にもおすすめの資格になっています。

乙4が特に人気!資格の種類は全部で8種類

化学物質

乙4(乙種4類)が最も実用的で人気の資格です

ひとくちに危険物取扱者と言っても資格自体は全部で8種類あります。

まず危険物取扱者は「甲種」「乙種」「丙種(へいしゅ)」と大きく3つに分けられ、その中の「乙種」は1類・2類・3類・4類・5類・6類の6種類にわかれています。

危険物取扱者の資格の中でも最も人気が高いと言われる「乙4」とは「乙種4類」のことを意味します。

甲種危険物取扱者は全ての種類の危険物の取扱いと立会いができ、乙種危険物取扱者は取得している「類」の危険物の取扱いと立ち合いができます。

  • 乙1:酸化性固体
  • 乙2:可燃性固体
  • 乙3:禁水性物質
  • 乙4:引火性液体(ガソリンアルコール類、灯油、軽油、重油、動植物油類など)
  • 乙5:自己反応性物質
  • 乙6:酸化性液体

丙種危険物取扱者に関しては乙第4類のうち特定の危険物(ガソリン、灯油、軽油、重油など)のみ取り扱いと定期点検ができる資格になっています。

なお甲種危険物取扱者か乙種危険物取扱者が立ち会えば、危険物取扱者免状を取得していない一般の者も、危険物の取扱と定期点検を行うことができます。

他資格への影響

パソコンを見て考える男性

条件によっては防火管理者として活躍できることも

一定の条件を満たしている危険物を取り扱う施設では、危険物取扱者の中から「危険物保安監督者」を選任する必要があります。

その危険物保安監督者に選任された甲種危険物取扱者であれば防火管理者の資格がなくても甲種防火管理者の資格を有する者として認められます。

かなり限定的な条件ではありますがこう言った特典も一応あると言うお話です。

危険物取扱者になるには

試験に合格すればOKです。乙種と丙種には受験資格はありませんが、甲種には受験資格があります。

乙種・丙種は受験資格なし!甲種はあり

STOP

甲種取得の一般的なルートは乙種を取得してからになります

危険物取扱者の乙種・丙種試験に受験資格はなく基本的に誰でも受験できます。

しかし甲種には受験資格があるので条件を満たす必要があります。

甲種の受験資格は化学系の大学や専門学校を出ていること、もしくは乙種危険物取扱者免状を取得してから2年以上の製造所等で実務経験を積んだ者など定められています。

  1. 大学等において化学に関する学科等を修めて卒業した者
  2. 大学等において化学に関する授業科目を15単位以上修得した者
  3. 乙種危険物取扱者免状の交付を受けた後、危険物製造所等における危険物取扱いの実務経験が2年以上の者
  4. 第1類又は第6類、第2類又は第4類、第3類、第5類の4種類以上の乙種危険物取扱者免状の交付を受けている者
  5. 修士、博士の学位を授与された者で、化学に関する事項を専攻したもの

危険物取扱者の合格率 甲種は難しい

勉強

乙種・丙種に比べて甲種は難しいです

最も難易度が低い丙種の合格率は大体50%前後となっており、難易度は低めと言えます。

乙種に関しては4類以外が60%~70%4類のみが30%前後の合格率になっています。

人気の乙4のみがガクッと合格率が下がるので難しいのかと思われがちですが、この乙4は非常に人気が高く受験者数も他の乙種の類に比べてケタ違いに多いです。

また必要となる職場が多いことから会社からの半ば強制的な受験になっていたり、学生全員が受験しなければならない工業高校などもあったりと受験者のレベルが他の類に比べて高くなく、実際の難易度は他の類とさほど変わらないとも言われています。

また他の類に関しても大抵の人がはじめに乙4を取得して、その後甲種を受験するために他の類を受験すると言った流れの人も多く、受験者のレベルは乙4のそれに比べて高くなりがちです。またその場合科目免除などもあるため合格率はさらに高くなる傾向になります。

そのため乙4だけが難しいと言うことは決してなく、また他の類が異常に簡単と言うこともないと言うことになります。乙種はものすごく難関ではありませんが気を抜くと落ちると言った難易度だと思っておくと良いかと思われます。

甲種の合格率は30%~40%と一見そこまで低くなさそうにも見えますが、先ほども申しましたように甲種には受験資格があり、大学で化学を勉強した人や4種類以上の乙種を持っている人などすでにしっかりとした知識を備えた人しか受験できないにも関わらず30%~40%の合格率ですので決して簡単な資格ではなく難しい資格と言えるでしょう。

試験の内容・試験範囲

物理・化学・危険物に関する法律の試験です

甲種・乙種・丙種ともに全て科目数は3科目となっています。

試験の内容としてざっくり言うと物理や化学の試験、かつ危険物に関する法律が問われてくると言った感じになっています。

各科目それぞれ60%以上正解できれば合格となります。

宅建や管理業務主任者のように毎年合格率が変動するタイプではないので勉強した分結果が出やすい試験ではありますが苦手科目を作ると詰んでしまうタイプの試験でもあるのでまんべんなく勉強する必要があります。

まずは丙種の科目です。

  • 危険物に関する法令
  • 燃焼及び消火に関する基礎知識
  • 危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法

次に乙種の科目です。

  • 危険物に関する法令
  • 基礎的な物理学及び基礎的な化学
  • 危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法

そして甲種の科目。

  • 危険物に関する法令
  • 物理学及び化学
  • 危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法

乙種・丙種は一部科目免除あり

引火性のある危険物

乙種と丙種は条件にあてはまれば科目免除されることあり

乙種と丙種には一部科目免除があります。甲種はありません。

対象者は他の類の乙種免状を持っている者、火薬類免状を持っている者、消防学校に通って消防団員だったことがある人になります。

条件を満たしているかどうか確認しておくといいと思います。

まずは乙種を受験する際の免除要件です。

乙種は1つでも別の類を取得していると「法令」と「物理・化学」の2科目が免除となります。これはかなりお得ですね。

また乙種1類・乙種5類のみに該当することですが、火薬類免状を持っていれば「物理・化学」と「危険物の性質消火」の科目が一部免除となります。

火薬類免状だけでなく別の乙種も持っていれば乙種1類・5類の「法令」「物理・化学」が全部免除+「危険物の性質消火」の科目も一部免除となります。

次に丙種を受験する際の免除要件です。

「5年以上消防団員として勤務し、かつ、消防学校の教育訓練のうち基礎教育又は専科教育の警防科を修了した者」であれば科目「燃焼及び消火に関する基礎知識」が全部免除となります。

資格取得後も定期的に受講義務あり

講習

基本的に3年に1回講習を受ける必要があります

資格を取得したあと、危険物の取扱作業に従事している方は、危険物に関する新しい知識や技能の習得のため危険物取扱者保安講習を受けなければなりません。

基本的には3年に1回受講する義務があります。

実務についていない方は講習を受ける義務はありませんが、新たに実務につくようになった日から1年以内に危険物取扱者保安講習を受ける必要があるなど状況によって受講する時期は変わってきます。

取得して終わりと言う資格ではなく、車の免許のように定期的に講習があることはあらかじめ理解しておく必要があります。

危険物取扱者は独学で取得も可と言われる資格です

危険物取扱者の乙種・丙種は独学での取得も十分に可能な範囲である資格です。

特に人気の乙4は受験者数が非常に多いため、その分テキスト・参考書も充実しています。

おすすめのテキスト

危険物取扱者試験に限らず、工業系の資格試験対策としてすい~っと合格シリーズはよく選ばれています。

他にも危険物取扱者試験対策としてユーキャンの速習レッスンもよく選ばれています。

理系が苦手な方はユーキャンの講座

ユーキャンには危険物取扱者(乙4・丙種)講座があります。

危険物取扱者乙4はテキストなどは充実していますがこの試験は物理や化学が試験範囲に入っており、それらは元々苦手と言う人も多い科目です。また文系出身であれば理系科目そのものがもう苦手だと言う方もいると思います。

その場合は完全な独学で勉強してしまうとどうしてもわからないところを飛ばしがちになってしまうでしょう。

危険物取扱者試験では全科目を60%得点しなければ合格できないため苦手科目を完全に捨てるということはかなり危うくまんべんなく勉強する必要があります。

ユーキャンの危険物取扱者講座を受講することの最大のメリットはわからないところを質問できると言う点です。

またこの講座自体が開講30年以上とかなり長い実績があり、文系出身者や理系科目が苦手な方にもゴロおぼえなどかなり優しい仕組みになっているため物理や化学が苦手な方はこちらに頼る方が早いと言えます。

まとめ

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いかがでしたか?

以上が危険物取扱者についての大まかなまとめになります。

必置義務があり比較的安定した需要があることから就職につながりやすい資格と言えますので狙いたい就職先に必要であればぜひ取得しておきたいですね。

少しでも参考になれば幸いです。