作業療法士とは事故や脳内出血で身体機能に障がいを持つ患者の機能回復を支援するため、患者自身に作業させることを主体としたリハビリテーションに携わることを独占業務とした国家資格です。
作業療法士の特徴
理学療法士と仕事の内容が似ていますが、作業療法士は患者自身に作業させることが特徴です。
作業療法士の仕事内容
理学療法士はマッサージや微量の電気刺激、温熱などで物理的な治療を行いリハビリに携わりますが、作業療法士は患者自身に園芸や手工芸などと作業させることを主体にしています。この「作業」は歯磨きや洗顔など日常的な動作も含まれます。
また手足の欠損などの障がいを負った方やうつ病、摂食障害の患者に対して精神面でサポートすることも理学療法士にはない作業療法士の特徴のひとつです。
最終的には患者が自力で病院を出て自宅に帰ることができるようになることが目標になります。
就職に有利!理学療法士より強い!?
リハビリを必要とする方は事故の被害者だけでなく、三大成人病のひとつである脳血管疾患でも麻痺がおこりますので、こうしたリハビリの対象者は増加傾向にあると言えます。
また現在高齢化が進んでおり、リハビリが必要な高齢者も多くなるでしょう。
さらに作業療法士は精神面でのサポートもするため精神病院の求人もあり理学療法士よりも求人は多いと言えます。
精神病患者は現在かなり増えていますし、また作業療法士自体の数が理学療法士よりも断然少ないため、そう言った意味でも作業療法士は就職に有利と言えます。
また理学療法士と同じく、作業療法士も人数が年々増えていますのでこのままではいずれ飽和状態になってしまい、厳しくなってくるのではと言うことが定説のようになっています。
しかしリハビリの仕事自体がなくなると言うことはとても考えづらいですし、むしろ今までが良すぎただけと言う見方をしている方も多いです。
仕事自体がなくなるわけではありませんので人気のある職場にこだわらなければ就職に困ると言うことは考えづらいでしょう。
残業が少ない方!
これは理学療法士にも言えるメリットですがリハビリの仕事は治療後の患者に必要となるため緊急性がほとんどないと言えます。
医師や看護師であれば常に急患に対応しなければなりません。作業療法士のように夜勤や残業が少ない医療系専門職はそう多くありません。
子育てをしながら仕事をする女性にはとても良い環境と言えるかもしれません。
他資格への影響
作業療法士として実務経験が5年以上あれば介護支援専門員(ケアマネージャー)試験の受験資格を満たせます。
資格を取得するには
国家試験に合格すればOKです。
ただし国家試験を受験するには作業療法士養成校か養成施設を修了する必要があります。
まずは専門の学校に入学
作業療法士の国家試験を受験するには、文部科学大臣が指定する学校、または厚生労働大臣が指定する養成施設で3年以上作業療法士として必要な知識や技能を修得する必要があります。
この学校へは高卒以上の者しか入学資格がないので人によっては注意が必要です。
また需要が高い資格なので希望者は多く、倍率も高いです。入学するには理系中心となるため苦手な方はよく対策を練る必要があります。
合格率は80%以上
専門の学校や大学に入学するまではやや大変ですが国家試験はよほど勉強していない人以外は大方合格できる試験になっています。
まとめ
以上が作業療法士に関する全体像のまとめになります。
かならず学校を卒業しなければ受験資格を得られないため人によっては授業料や生活費の面で苦労するでしょうがここがクリアできれば医療系専門職として手に職を持つことができますね。
少しでも参考になれば幸いです。